東西、問う差異
ここでも何度か書いていますが
ワタクシ、高校1年生までを九州で過ごしました
さらに幼少の頃は大阪にいました...物心がつく前
関東・埼玉に引っ越してきたばかりの頃は
いろいろと、特に食べ物の面でカルチャーショックを受けたのですね
ネギの白いところを食べるとか、お稲荷さんが三角から四角になって
豚まん(肉まん)を買っても酢醤油がおまけに付かなかったり...
まぁたいていのことは慣れてしまったのですが
ぶた汁のことをとん汁と呼ぶのは40年以上経っても馴染めません
こういう地域によって食べ物の形態が違うというのは
なかなかに面白い話題になって
ユースホステルで各地からやってきた旅人が泊まり合わせると
「ウチはああだ」「こっちはこうだ」「国境線はどこだ?」
などと盛り上がったものでした
先日『くらべる東西』という本があることを知り
さいわい地元の図書館にも置いてあったので早速借りに行ったのですが
ページをめくると「ああ、そうだった!」の連発
叩きすぎて膝が腫れ上がるほどでした(って大袈裟ですね)
線香花火は藁でした
でも、今はもう全国的に紙縒り(こより)だろうな
藁の方が火持ちが良く、火球になってから長く楽しめましたが
それは芯の材質ではなく、火薬の質なのでしょうか?
我が家のタマゴサンドはパンに玉子焼きを挟んだものでした
小学校の家庭科の時間で茹で卵をつぶして作ったときは驚きました
(茹で卵スタイルは全国的に普及していたようです)
子どものころ、東京の玉子焼き専門の店を舞台にしたTVドラマがあって
玉子焼きだけで商売していることもだけど、その道具の形が
普段見たことがないものだったので「さすがプロ用は違うなぁ」
と感心したものでしたが、それが「東」型だったのですね
今、家庭ではほぼ全国的に「西」型だそうです
まぁ東西の建築家に丹下健三と村野藤吾を並べたり
実業家に渋沢栄一と五代友厚を並べるのは
「くらべる東西」というよりは「両雄並び立つ」であって
ちょっと意味が違うんじゃないの、と思ったりもするのですが
構図を合わせた写真はすべて撮りおろしという
軽く読めるわりにはしっかり作られた
いや、軽く読めるようにしっかり作られた本でした
『伝統とは意志である』
著者が別の本で感動した言葉だそうですが
「その時代の人々が『残したい』と思ったものだけが残る」
交通や情報の発達で人や文化の往来・交流が進み
地域性が薄れてきている昨今
それでも残っている「違い」というのは、尊重したいものです
念のために申し添えておきますが
見開きページの撮影に際しましては
グッと開いて背表紙が割れてしまわないよう
図書館の本ですからね
かといって
そのままでは本が閉じてしまいますので
上にガラス板を載せて撮影いたしました
どうやって自分が映り込まないようにしたかって?
...内緒ナイショの方法であります(笑)