ぼくは戦争は大嫌い

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今日、たまたま時間に余裕があって
図書館の書架の前をぶらぶら歩いていたら
こんな本を見つけました

  美術書の棚に置いてあるというのは
  いささかどうかとは思うのですが

やなせたかしさんが自身の従軍体験を語った本です

もともと戦争は嫌いだったので
戦争体験は話したことが無かったそうですが
ご自身が90歳を過ぎて
周りに戦争体験を語れる人がいなくなってきた

「人間は、過去を忘れてしまうと
 同じ失敗を繰り返す生き物です
 ぼくは、もうお墓も戒名も決めて
 いつ死んでもいい状態だからいいのですが」
 もし日本が戦争になったら若いたち人がかわいそうです」


先日、このブログで高知の「ぼうしパン」のことを取り上げて
やなせさんの「ボオ氏」と絡めた記事を書いたのですが
それをきっかけに、過去にもアンパンマンやら『慟哭の海峡』という本など
やなせさんのバックボーンとも思えることについて記事を書いていたことを
思い出したわけですが、その記憶が冷めやらぬうちに見つけた本です
思わず借りてきて、一気に読んでしまいました
  まぁ、さっと読める本でもあったのですが
読んでみて思ったのは
たまたまご自身が配属されたのは前線ではなかったからでもあるのでしょうが
戦争の悲惨さではなく、愚かさを説いている本だなぁということでした
時代錯誤の古めかしい訓練、とにかく殴る私的制裁、等々
そういったことを、どことなくユーモラスに語っているのです
ユーモアではなくペーソスと呼んだ方がいいかもしれませんが
ともかく声を大にして叫ばない...そこが、やなせ流だなと思います

でも、きっと「真っ赤に流れる熱き血潮」が流れてるんだろうな

この本は、やなせさんが直接執筆されたのではなく
インタビューをもとに構成されたそうですが
取材を受けた数か月後にお亡くなりになりました

最後の最後に、やなせさんのバックボーンを自ら語った本とも言えますが
やっぱり、その語り口は「漫画家」だったなぁと思わずにはいられません