ゆっくり走ろう北海道
 ~2018北海道07

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知床峠から羅臼に向かう下り道の途中で一台のトラックに追いつきました
追いついたからといって、そのあと追い越したり
はたまた追い越す場所がなくイライラしながら後をついて行く、のではなく
このトラック、けっこうスイスイ飛ばして走ってゆくのですね
だからこちらもそのまま後をついて行きます

羅臼に入り、海辺に出たところをトラックに続いて右折
道の駅とか、休憩できそうな場所をピックアップしていたのですが
いい調子で走っているのでノンストップです
やがてトラックは、そこが本拠地だったのでしょう、道路脇の事業所に入りましたが
こちらはその勢いで海に沿って南下を続けます
向こうに見えているのは国後島
森繁久彌さんを貶める気はさらさらありませんが
「遥か国後に」という遠さではありません

行き交うクルマもほとんどなく、単調な風景が続きます
このまま走って標津に着くのは...?
妙なことに気か付きました
さっきからずっと、公の場では言えないようなスピードで走っています
信号もありませんから、表定速度もほぼイコールでしょう
だったら、カーナビが示す到着予想時刻はだんだん早まってきていいはずなのに
ちっとも変りません。それどころか油断すると1分くらい伸びてしまう
ということは、このルートのスピード相場はこのくらいだと
あらかじめカーナビは知っているということなのでしょうか?

  スピードを落とすと追いつかれて煽られそうな気がするので
  やっぱり地元のクルマ並みのスピードで走るのですが
  内心では取り締まりに遭わないかとビクビクです
  お巡りさんだって日頃から付き合いのある地元の人を捕まえるのは忍びない
  だからいきおい他県ナンバーやレンタカーを狙うっていう話を
  昔からよく聞くんですよねぇ

やがて、斜里から知床半島の付け根部を走ってきた国道244号に合流します
ウトロから羅臼まで、3、40分で行ける知床横断道路が冬期不通になると
数時間かけてこちらを迂回するしかないんですね、大変だなぁ
というより、互いに関係を持とうとは思わなくなるような気がします

まぁとにかく走ることに夢中になって、全然写真を撮ってない (^^ゞ


ここまで来ると標津はもうすぐ
標津では、『標津サーモン科学館』というところに寄って行きたいと
プランニングの初期段階からずっと思っていて
見学時間として1時間くらいを充てていたのですね
ところが、出発が近づいてきたらだんだん「行かなくてもいいかな」と思い始め
それよりも野付半島に行ってみようと思ったのでした
野付水道にエビの尻尾のようにカーブを描いて細く延び
道路の両側に海が見えるという、その景色を見てみたくなったのです
サーモン科学館の見学をパスすれば、往復する時間は稼げるでしょう

  たしかに両側に海が見えました
  でも、ダッシュボードにセットしたカメラではそれがよく判りません
  ホルダーのアームを目いっぱい高く上げたんですけどねぇ
  それでもドライバーの視点との10㎝ほどの差は大きいんですね

野付半島と言えばトドワラが有名なのですが
今回はその手前、『野付半島ネーチャーセンター』で引き返してきました
この先、トドワラまでは遊歩道をということになり、時間と体力が無理でしたから

実はね、ワタクシ自身は40年前にここに来ているんですよ
2月の、雪と氷に覆われた時期に、泊った宿のマイクロバスで
  宿泊客向けの『トドワラ散策とジャガイモ食べ放題ツアー』とかいうやつ
当時はこんな自然保護の制限や設備も整備されてなかったのか
バスでかなり近くまで行ったと思うのですが
もともとトドワラというのはトドマツの原生林が海水の浸食で立ち枯れした場所で
年々浸食が進んで立ち枯れした樹も無くなってゆきつつあったのですね、だから
「あと何年もしたらトドワラは消えてしまうだろうなぁ」
「そうしたら、ほら、さっき見てきた場所がいずれトドワラになる」
なんて話を聞かされて、そうか、あそこはニュートドワラになるんだ
というような会話を、案内してくれた宿の主人としたものでした

この先にあるトドワラが、40年前に行ったトドワラなのか
それともニュートドワラなのか
はたまた、来る途中にあったナラワラというのがニュートドワラのことだったのか
さっぱり判らないのであります

あ、ここでもテレプラス使ってましたね

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来た道を引き返して標津に戻り、中標津に向かいます
オホーツク海に沿って走るドライブから、酪農地帯のドライブへと風景が変わります
ずいぶん昔に読んだ文章ですが、中標津にはフォードの代理店が並び...とあり
といっても乗用車ではなく農業用トラクターのことだったのですが
東京や札幌への定期便を持つ空港もあったりして、この界隈の中心地です
でもまぁ深谷とどっこいか、いや、もう少し田舎町かな
というところでお昼です


この日も食事場所はツレがあらかじめ探して決めていて、その名も『ラ・キンコ』
なぜこの店かというと、ツレの知人に徳島在住の西山欣子さんという
イラストやアートデザインのお仕事をされている人がいて
  一昨年、徳島に行った際には大変お世話になりました m(_._)m
その人と同じ名前、というのが理由なのです
選んだ理由は単純ですが
入ってみるとスパゲティーを中心になかなかボリュームがあって美味しく
あれもこれも食べてみたいなぁと思える店でした

食事と買い物を済ませ、中標津の市街地を出ると
そこは「果てしない大空と、広い大地の真ん中」です
学生時代に何度も北海道にきているとはいっても
ほとんどが鉄道沿線の冬景色ですから
「どうだ凄いだろう」とツレに自慢していながらも
内心自分でも初めて見る景色に目を奪われていたのです
...それにしても、自分の土地でもないのに何で自慢するんだろ (^^ゞ

何の目印も、もちろん街灯なんかも無い道は、夜に走りたくはないですね
ぜったいに分岐を見落とすにきまってる。カーナビだけが頼りです
そのカーナビも、明らかに目的地は右の方角なのに左に行けと言う
これは察するに、左方面に行くと国道があるからそちらを優先したのでしょう
構うもんかと右の市町村道に入ったらリルートして示してくれるのですが
これがさっきのルートより10kmくらい近道になっていて所要時間が変わらないんですね
いったいさっきのルートはどれだけスピードが出せるのでしょう
  この新ルートも快適だったので
  所要時間がみるみる縮まりましたが

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道路の脇に酪農展望台があったので休憩を兼ねて上がってみました
「広いなぁ」
360度見渡して、目に入ってくる建物なんて数棟しかありません
じゃぁ辺りは原生林かというとそうではなく、人の手が入った林や牧草地です
ここを切り開いてきた先人たちの努力は大変なものだったでしょう
今みたいな大型の機械だって無かったろうに...
そして今、平和に明るい陽光が照っているけど
牧場では一週間前の大規模停電の影響を受けて
飼育している牛の乳房炎や生乳の受け入れストップによる収入減など
大きな問題を抱え込んでいる最中なんだよなぁと
そんなことまでも思ってしまったのでした

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細い(といっても充分スッ飛ばせる)道から道道123号線に出て一直線
ようやっと国道44号線に達しました、なんとか予定していた時間だな
交差点の向こうには、昨年も訪ねたあのお店がありました
まだ2度目なのに、懐かしい外観です


  ちなみに、題名にした「ゆっくり走ろう北海道」とは
  ワタクシが高校生の頃、流行ったステッカーです
  あの頃これを貼っている車が多く
  各地でも似かよったステッカーが作られました
  ワタクシも、初めて北海道に行った際に
  釧路のユースホステルで入手した記憶があります
  ...さすがにもう手元にはありませんが