知床の探し物
~2018北海道06
2日目の朝です
朝食提供時間の半ばを過ぎたころに食堂に降りてゆくと
皿が残っているのはワタクシたちの分だけでした
そんなに寝坊したつもりはないんだけどなぁ
「みんな夜中に魚釣りに行っちゃったよ。常連なんだ」
そういうことか、それで2時ごろ廊下で話し声がしていたんだ
宿の主人の説明で納得がゆきました
昨夜食事をしていた泊り客の雰囲気が観光客っぽくなかったのも
釣りが目的だったからですね
今日も天気がよさそうです
予定より少し早く宿を出て
昨日、トイレだけでパスしてきたオシンコシンの滝を観に行きます
さすがにまだ観光客が動き出す時間ではないのか、静かでしたが
それでも何組かの外国人のグループやカップルが来ていました
ウトロに戻ってきて『道の駅・うとろ・シリエトク』に立ち寄ります
今回の旅では「あちこちでソフトクリームを食べよう」と思い立ち
撮影用にソフトクリームスタンドまで用意していたのですが
2日目にしてようやく最初のソフト、コケモモソフトです
...実はこれ、レンタカーの会員カードの提示で「1組につき1個無料」なんです
特に土産を買うわけでもなく、ソフトを食べ終えたら出発
羅臼に向かって知床半島横断です。坂道をグングン登ってゆきます
まぁこちらはクルマですからアクセル踏むだけなんですが
自転車で登っている人もいますねぇ
あ、前後輪にパニアバッグを着けて重装備でペダルを漕いでいるのは
昨日ウトロに来る途中で追い越した外国人女性です。頑張ってるなぁ
正直、団体で来ている外国人観光客には辟易させられることもありますが
オシンコシンの滝で見かけたレンタカーも含めて、単独や小人数のグループには
なんとなく親近感が湧いてきて、日本を満喫してくれよと
エールを送りたくなってしまいます...勝手なもんだなぁ
知床半島横断は、クルマで一気に駆け抜けるつもりでした
知床五湖やカムイワッカ湯の滝を見て回る時間もないし
ツレの足では無理でしょう。だいいちワタクシ自身があまり興味がない (^^ゞ
でも、旅行プランを練っているうちに、寄ってみたくなってきた場所がありました
『知床自然センター』の駐車場にクルマを停めます
ここはフレペの滝への遊歩道や知床五湖方面へ向かう道道知床公園線の入り口にあり
ハイカーたちへのビジターセンターとしての役割を担っているようですが
ワタクシの目的地はここではありません
ツレに「しばらくここで待っていてね」言い残して裏手の建物に向かいます
そこには『しれとこ100㎡運動ハウス』が建っているのです
来訪者で賑わっていた『知床自然センター』とは対照的に、こちらは誰もいませんでした
前にも書きましたが、知床の旧開拓地を自然に返すナショナルトラストがあり
ワタクシも社会人になった初任給で一口拠出したのです
あれから幾星霜、還暦を迎え、おそらくこの地に来ることはこれが最初で最後
ここに運動参加者の名簿があると聞いたので、自分の名前を見て行きたかったのですね
...ああ、立派な老化現象だ
ところが、置いてあった分厚い名簿には
平成もかなり経ってからの参加者しか載っていないのです
あれぇ、これより古いのは無いのかよ
ガッカリして戻ろうかと思ったら、奥に部屋があるのに気づき、入ってみると...
大きな部屋の四方の壁に、びっしりとプラスチックのプレートが並べられていました
そうだ、もともと参加者の名前はプレートに刻まれ、現地に掲出されてたんだ
きっと風雪で傷むのを避けたり、数が増えてそれ自体が土地を自然に戻すという目的に反したりで
この建物に移したに違いない...独りで納得して、自分の名札を探しました
幸い都道府県別に分けてあったので比較的簡単に見つけることができてパチリ
登録順だったら困ったろうなぁ。登録証書の写真は用意してたけど
部屋を出ようとして、そうだと気づいたことがあります
ここにもよくコメントをくれるトチロウ氏も拠出していたはず
と思い出して、今度は友人の名前を探します
でも、見つからないんですねぇ
勘違いだったかと思って部屋を出かかったんですが
そうだ、あのころ彼はまだ大学生だったかもしれない。だったら東京だ!
ワタクシは彼が就職して移り住んだ福島県を探していたのですね...ほら、あった
スマホで写真を撮り、トリミングして「これは貴方ですか?」とだけ言葉を添えて
Facebookのメッセージで彼に送ります...バカですねぇ、もっと説明しろよ
しかしワタクシが知床にいることを承知していた彼は写真だけですべてを理解し
間違いなく自分だと返事をくれました。彼も初めて見たそうです
『知床自然センター』のベンチで待っていたツレに声をかけてクルマに戻り
さらに坂道を登ってゆきます
カーブを過ぎるごとに空がひらけていって、やがて知床峠
登り詰めたらあとは下るしかないと...ううむ、羅臼側の方がカーブがキツい
スピードの出しすぎに注意、だわい