キリキリ舞い
 ~2018北海道12

霧多布の市街地を出て、琵琶瀬の高台にやってきました
ここから見る湿原の景色は、浜中を代表する風景と言っていいでしょう
  40年くらい前までは湯沸岬の風景が浜中の代名詞だったが
  ローソク岩が倒れて海中に没してからあまり見なくなった

この景色を印刷物などで見ると、「あっ、浜中だ」と判ってしまいます

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そんな景色をぜひツレにも見て行ってもらいたい
という思いでやって来たのですが
クルマを降りて、ツレがトイレに行っている間に
背後の海から霧が忽然と湧いてきて、視界を覆い隠し始めました

薄れゆく湿原の風景を、なんとか...見ることができたかなぁ


さて、午前中は予定が変わってしまい
この時間にここにいるはずではなかったので
もう国道には出ないでこのまま厚岸を目指して昼食にしよう

と、海寄りの道を走ったのですが
「海寄り」であって「海沿い」ではないこの道は
あんまり景色的には楽しくないんですねぇ、だいたいが林の中
まぁ左右が開けた国道を走っても、どれだけ眺望があったか疑問ですけどね

39年前の2月、霧多布から厚岸まで
酔狂にもこのルートを歩いたものだった
半日かけて歩いて、出会ったクルマは数台だった

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道の駅『厚岸グルメパーク』はクルマも人もいっぱいでした
さっき前を通ってきた漁業協同組合の直売店も賑わっている様子だったしで
地震の影響で観光客が減っているなんて、どこのニュースかと思うくらいです
まぁ、元気に動いているのは近郊からの個人客で
本州や外国からの団体客はごっそりキャンセルしてるんでしょうね
ともあれ、そんなわけでレストランは1時間待ちだそうです

「ううむ、じゃぁ先に行って、別のところを探そうか」

ワタクシからこのセリフが出ると、高確率で昼飯は抜きです
ドライバーの心理としてクルマを停めるのが億劫になるというのもあるのですが
あそこはクルマを入れづらい、とか
店内が暗くって、あんまり繁盛してなさそうだな、などと
なんだかんだと先延ばしにして、結局食べずに終わるということが
これまで何度あったことか...
  いまだに新婚旅行のパリで昼食を食べなかったことを
  持ち出して責められております

いや、ワタクシだって初めから昼食を抜くつもりはないんですよ
ただ...あ、せめてソフトクリーム食べて行こう (^^ゞ

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ちなみにオイスターモカソフトは
レンタカー会員の50円引きで250円でした


道の駅を出て国道に合流し、釧路に向かいます
国道に出てすぐに食堂が何軒かあったのですが
案の定「やってるのかなぁ、よく判らないなぁ」と言っているうちに通り過ぎ
そのあとは商店はおろか、民家も滅多にないような場所を走ります

この先は昨年一度往復して景色になじみがあるので
曇り空に押しつぶされそうな気分も、少し安心感で跳ね返せます

やがて交通量が増え、車線も増えて、釧路が近づいてきました
この先の交差点を左に行けば幣舞橋に出られるな、真っ直ぐならイオンだ
天気も霧で曇っているし、いっそ市街地に行って時間をつぶそうかとも思ったけど
街の中のごちゃごちゃしたところに行くのが億劫になってきて
カーナビが指示する通りに右折して国道38号バイパス・釧路外環状道路へ
その名の通り市街地の外側を迂回して街の西側に向かいます
湿原を突っ切る道路で、晴れていればさぞかしいい眺めなんだろうな
気がつくと、さっきまでは曇り空程度だったのが
今はすっかり本格的な霧になっていました

鉄人28号を連想した

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『釧路市湿原展望台』に着きました
プランニングの際、湿原の中の、例えば細岡展望台などよりは
こちらのほうが設備が整っていそうなので
ツレも歩くのが少なくて済んでいいのではないかと考えたのですが
その代わり入場料が必要になります

「霧が出てますけど、いいですか?」

確認してくれた受付嬢に「構いません」と答えて入場券を買い求め
エレベーターで屋上に上がったのですが、考えが甘かった
足下に広がる湿原だけでも見られればいいと思っていたのですが
この建物のすぐ近くは森になっていて
湿原が広がっているのは丘の向こう、霧に隠れた先だったのです

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せっかく入場料を払ったのだからと駆け足でしたが少し展示物を見て
それと軽食コーナーもあったので何か食べようかと訊ねたのですが
ここまで来たら、空港でゆっくり食べようということになりました
...やっぱりそうなってしまった (^^ゞ


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だんだん濃くなってくる霧の中を空港に向かうのですが
いったん進路を逆に振って街に向かいます。給油です

レンタカーですから満タン返しがお約束です
ところが空港近辺にはガソリンスタンドがありません
女満別でもらった案内のチラシによると、
最寄りのスタンドはさらに12km進んだ阿寒か
10km戻った大楽毛(おたのしげ)ということなので
ここから行くならやっぱり大楽毛ですね

「26リットル入りましたぁ!」

トリップメーターは524.3kmを表示しています
ということは1リットルで20kmも走ったことになります
いや、出発前は途中でつぎ足さないと危ないなぁと思っていたのに
なかなか針が動かないのでそのまま走ってきたのですが
ここまで燃費がいいとはね
このクルマは、サイドミラーが見づらかったり
スマホと車載ナビがBluetoothでつながらなかったり
さらには電源コンセントの位置が遠かったり、初日は変な臭いがしたりで
どうも使い勝手が良くないクルマでしたが
こと燃費に関しては素晴らしい経済性を発揮してくれたのでした
ちなみにクルマは日産ノート、1200ccのガソリン車です

  ツレの携帯電話で試したらBluetooth接続できたので
  どうもワタクシのスマホとの相性が悪かったということでしょうか
  しかし、そのためスマホのショボいスピーカーで音楽鳴らしてました
  あと、変な臭いというのは
  クルマに乗り込むたびにフライドポテトの臭いを感じたのですね
  臭覚は麻痺しやすいというか順応しやすいものですから
  乗ってるうちに、とか翌日からは気にならなくなりましたけど

燃料をいっぱいにして『たんちょう釧路空港』...の前にある営業所へ行き
レンタカーを返却して、ワゴン車で空港まで送ってもらいます

全日空のカウンターでキャリーバッグを預けて身軽に...
なる前に売店と自動販売機で北海道でしか買えない飲料を買って詰め込みます
さすがに無料で預けられる20kgは越えなかったと思いますが(笑)

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で、ようやく身軽になって遅めの昼食、もしくは早めの夕食となります
3階のレストランに行き
本来なら発着する飛行機を見ながら食事できるのでしょうが
霧でメイン滑走路が見えません
むかし見た統計資料では、釧路空港の運行率は
冬のほうが良くって夏場が悪かったという記憶があります
太平洋側ですから、たとえ寒くても冬は雪が少なく晴れの日が多いのに対し
夏は冷たい海流のせいで霧が発生することが多いということなのでしょう
ここにきて祈ることは、飛行機が予定通り飛んでくれることです
さいわい、東京からの飛行機が定刻に降りてきました
機内清掃の後、折り返しの便で帰るのです

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搭乗案内が始まり
せっかくキャリーバッグを預けて身軽になったというのに
売店で買い込んだお土産の大きな紙袋を持って機内に入り、席に着きます
北の大地とも、あとしばらくでお別れです


いよいよ次回は最終章...たぶん、ね(笑)