どうする! アイフル!
「一戸建ての家に引っ越したんだから、イヌを飼いたいなぁ」
「駄目だよ、駄目」
かたくなに拒み続けたのは、実はワタクシでした
だが、この家に住むようになってもうじき8年が過ぎようとしている
子供たちも少しずつ大きくなって、家族のありようも変化してきている
根負けしたわけではないが、首を縦に振る時期が近づいたのかもしれない
そんなワタクシの雪解けをさらに進めるかのように
図書館で借りてきたイヌの本を家の中でよく見かけるようになってきていたのです
「ぼく、パピヨンがいい」
「なんといってもゴールデン・レトリバーよ」
「トイプードルもいいな」
飼い犬と言えばシェパード、コリー、スピッツくらいしか知らない
チワワやダックスフントはお金持ちが家の中で飼うもの
という程度の認識しかない
いったい今はどんなイヌがいるんだ? そしていくらくらいするんだ?
イヌなんて拾ってくるか貰ってくるかするものだと思っている
そんなわけでワタクシもようやく重い腰を上げ
ホームセンターなどのペットコーナーを覗く覚悟を決めたのです
「お父さんの気に入りそうなイヌを見つけたよ」
ツレアイの声に促されて、この日もホームセンター巡りに出かけました
ウチのあたりではペット専門店は小さな店ばかりで
漠然とした冷やかしでは入りにくいのですね
ま、ホームセンターそのものは嫌いではない
というよりDIY用品を見て歩くのは大好きです
しかしこの日はそういった売り場にはちっとも寄らずに
もっぱらペットコーナーだけを見て回りましたが
時季が悪いのかあまりイヌの種類を置いていないのでした
3軒目のお店にやって来ました
ここが昨日ツレアイが一人で来て
ワタクシが気に入りそうだというイヌを見つけた店です
どれどれ、あ、これ…!
このあとは例の消費者金融のCMと同じ展開でした
ひと目惚れってヤツですね
壁に埋め込まれたショーケース(?)ではなく
フロアに置かれたサークルの中に一匹だけ入れられており
先に来ていた少女が撫でたりしてかまっていたのですが
「こら、むみやみに触るんじゃない!」と言いたくなってしまうほどの
そんな気持ちをぐっとこらえて
少女がイヌをのそばを離れるとすぐさま寄って行き
「おまえ、ウチに来るか?」
イヌの飼い方に関するどんな本を見ても「衝動買いをするな」と書いてあります
まぁ、イヌに限らずそうですし、書いて無くても常識でしょう
でもね
最初に「あ、これ!」っと思ったインスピレーションというか感動というか
それは本能的瞬間的に何かが合致したのを察知していると思うのですよ
運命の出会い、なんて洒落た言葉は使いたくないけどね
それにあなた、自分の子供を理詰めで選びますか?
…ううむ、正当化しているなぁ (^^ゞ
例のCMの話に戻るけど
あれを初めて見たときは感動したものです
清水章吾サンの演技は抜群で、ものすごく共鳴できたのでした
気をよくしてシリーズ化したら極端につまらなくなったけど
自分もいつかああなるんじゃないかなと思っていたら
本当にそうなってしまいました
あ、本当にそうなってしまったのがもうひとつ
いや、結局はならずに済んだ話なのだけれど
このイヌを買うことに決めて、店の人に声をかけたのですね
もちろん受け入れ準備も何もないから
一週間後に取りに来るということで
そしたら…
「では、予約金として1万円お預かりさせてください」
そうなのです
この日はただイヌの種類やお値段の相場を見るために
気軽にホームセンター巡りをしていただけだったのでした
つまり、持ち合わせが…ない
まぁしかし、大のオトナがイヌが欲しいと声をかけて
1万円の持ち合わせが無いというのも相当カッコ悪い
ムスメも「私もお金持ってきてるよ」と財布を出す
さすがに小学3年生の財布をアテにすることなく
ワタクシとツレアイの所持金で何とかなりましたが
頭の中であのCMの「どうする、アイフル!」というセリフが
鳴り響いておりました
ああ、カッコ悪ぅ
家に戻るクルマの中で
イヌの名前を「サスケにしよう」と言うとムスメは半べそ
たしかにイヌを飼うことにはなったのですが
自分の望んでいた犬種ではないところに名前まで父親が一方的に決めてしまい
全然自分の気持ちが反映されて無いと感じたのでしょうね
でも、家に着いたら留守番していた息子のところに走っていって
「イヌを飼うことになったよ、名前はサスケっていうの!」
まるで自分が決めてきたかのように嬉しそうな顔で報告している
ふと「覚悟を決めた女は強い」と誰かが言ったような言葉が頭に浮かんだのでした
イヌは一週間後にツレアイが一人で受け取りに行くことになっていたのですが
きっと気持ちがあわてているだろうから、受け取りだけにしたいということで
午後になってもう一度、今度は一家4人全員でお店に行き
正式に契約をして注意事項などの説明を聞いてきました
もちろん支払いもちゃんと済ませて…って、このクレジットカード
午前中もポケットに入ってたんだよね
コメント
okiraku_kazu
こんにちは。そして、はじめまして。
私も昨年11月から子犬を飼っていますが、出会いは「アイフルのおじさん」状態でした。
あまりにも長い間、ショーケースの前で主人とごちゃごちゃ言っていたので、店員さんに声をかけられてしまった。。(と、自分のBlog内に書いてありました。。)
「どうする! アイフル!」を拝読していて、自分と子犬との出会いを
思い出し、懐かしくなりました。(^^) どうもありがとうございます。
kazu
TodomatsuHouse
コメントありがとうございます
飼うと決めてからアイリッシュ・セターがどんなイヌなのか
調べているようなイヌ知らずですが
(けっこう大きくなるんだそうです。すでにその片鱗が...)
それでも最初に出会った瞬間に
こいつと一緒に暮らすんだな、と
心の奥からこみ上げてくるものがあったような気がするんです
折に触れてイヌのことを書いてゆきたいと思ってますので
またお立ち寄りください