愛する人へ。

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ひところ、お気に入りのフォークシンガー諸氏の
「30周年記念ライブ」とか「30周年記念CD」というのがあったけど
ここ数年は「還暦」というのが一つのトレンドになっているような気がします
でまぁ、高校や大学を出てプロになったということを考えると
「還暦」と前後して「40周年」ということになるわけですが
杉田二郎さんの40周年記念ベストCDが出ております

二郎さんは好きなシンガーではありますが、アルバムを揃えるほどではない
でもたまにはしみじみ聴きたいという微妙な位置にいる人で
そういう人の歌はベストアルバムを買うに限るのです

  ずっと前に二郎さんのヒット曲集のカセットを買ったことがあるけど
  結婚した頃から行方不明になってしまった

実は、二郎さんのCDは「30周年記念ライブ」のものも持っているのです
これはライブですから当然のことながら
古い歌も新しい歌も、10年前の二郎さんが唄っているわけです
二郎さんって確かに歌はうまいんだけど
年を追うごとに「作っている」という感じが強まってきているんですね
節回しというかビブラートがすごく強調されて
良く言えば独特の魅力なのですが
悪く言えば自分の声に酔っている、と言えなくも無いのですね

そういう意味で「30周年記念ライブ」盤はクセがあって
初めて二郎さんを聴く人の中には拒絶反応を示す人もいるのではないかな
と余計なことを思ってしまうのです

その点この「40周年記念ベストアルバム」は当時の録音をそのまま使っているので
あの時この時の二郎さんや、そしてそれを聴いていた自分と再会できるのであります

って、ワタクシそれほど熱心なファンではなかったから
54曲収録されている中で(うち3曲は新曲)
知ってた曲は10数曲しかありませんでしたが (^^ゞ

というわけでワタクシが知っている曲は網羅されていると思ったら
好きな歌ベスト3に入れたいあの歌が収録されていませんでした
…『ユメカシーラ』じゃありませんよ
    あれはどちらかというとナターシャーの持ち歌でしょう
『あの愛の歌を今唄いたい』…どうしてこれが収録されなかったのだろう
二郎さんの男っぽさと優しさがうまく表現されている名曲だと思うのだけど


で、この歌を知らないという人のために
フルコーラスで聴けるサイトを(こちらから一方的に)紹介します
『オタク社長はヤケクソをタッパーに詰めて、やはり放浪する。』
という長い題名のブログの記事中にあるのですが
あらかじめ申し上げておきますと、歌っているのは二郎さんではありません
ブログ主のオタク社長その人なのです。が、
最近ワタクシはオタク社長の歌にハマッているのです

この人、ナターシャー・セブンの歌を得意としているようなのですが
二郎さんの歌を唄うのを聴いて気がつきました
ナターシャーや二郎さんの歌を唄いながら
実は、きたやまおさむさんに似ているんだ、と
甲高い声で、それがときどき鼻にかかったようになってしまうことや
丁寧に唄っているようにも投げやりに唄っているようにも聞こえるところなんか
きたやまさんを彷彿とさせるのですね

自分も夜更けにギターを抱えて、こうやって唄えたら...
うらやましく思いながらオタク社長の歌を聴いています


二郎さんの話に戻ります
彼の歌には作詞家きたやまおさむの作品が切っても切れない仲なのですが
この二人が一緒に唄うというのも、すごく合うということに気づきました
低音で歌のうまい二郎さんと、甲高い声で特徴的な唄い方をするきたやまさんですが
不思議といい雰囲気に聞こえるんですねぇ

「40周年ベストアルバム」に『京の旅人』という歌が収録されています
ワタクシがこの歌を聴いたのは、ばんばひろふみさんと一緒に歌ったバージョンで
これはもうどちらも歌がうまいお二人ですが
このベストアルバムに収められたきたやまさんのコーラスが入ったバージョンも
結構いい感じに聴けてしまいます

…ただ、ばんばさんとのバージョンはアレンジが好きだったので
それが聴けないのが残念でした
ペルシア音楽調のエキゾチックなアレンジが異国ムードをかもし出していて
「京都はシルクロードの入り口、異国への扉なのだ」
というワタクシがかねてから京都に抱いているイメージをあおるようなアレンジで
庄野真代さんがわざわざ飛んでゆかなくとも
充分にイスタンブールを感じるような歌だったのです