史上最長寿のロックンローラー

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以前にもどこかで紹介しましたが
ある意味ではワタクシの愛読書と呼んでいい『日本フォーク私的大全(なぎら健壱)』の
遠藤賢司さんの章は次のように始まります

 遠藤賢司から宅急便が届いた。  四角い形の大きなダンボールなのだが、厚みはなく薄い。僕は最初それが何か分からなかった。しかし形や重さから察すると、どうしてもペーパー類としか考えられない。 「雑誌? それともポスターかカレンダー?」  一辺が六〇センチもあることからして、雑誌ということはない。しかもポスターかカレンダーなら、そのまま送ってくることはない、丸めて筒状にして送ってくればいい。 「じゃあ一体?」とその梱包を解いてみた。  CD? 何とそのバカでかいものは、CDのジャケットだったのである...

最近、エンケンこと遠藤賢司さんに関心を持ち始めたワタクシは
どうせなら最初はこのCDからだ、とばかりに
『史上最長寿のロックンローラー』を手に入れたのでありました

…いやぁ、六〇センチ四方というのは、かくも大きなものであったか!

かつてのLPレコードなら4枚分、普通のCDなら16枚分
ということは頭では理解していたつもりでしたが
実物を前にすると、そのトンでもない大きさに唖然としてしまうのでありました

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しかし、ジャケットがでかいのはまだいい
曲を聴きながら壁にかけておけばいいのだから
  新品で売られていたときは吊り下げ用具が付属していたらしい
困るのが歌詞カードなのですね
というのも、型崩れ防止の意味もあるのでしょうが
一枚のダンボールに印刷してあるのですよ…六〇センチ四方の
老眼の進みつつある眼には優しいかもしれないけど
持ち難い、疲れる、何とかしてくれ


最近エンケンに関心を持ち始めたと書きましたが
いちおう昔の唄は知っております
『カレーライス』『夜汽車のブルース』...

なぎらさんの本には、
遠藤は静と動の両方を持った歌い手である
…(中略)…とても同じ人間のステージとは思えない。とありますが
まさにこの2曲は今も歌い続けられる、静と動の代表曲かも知れません

これらの歌から20年ほど経って、1991年に発売された
『史上最長寿のロックンローラー』というCD
中身は演奏時間が25分という歌が1曲入っているのですが
正直なところ、期待して聴いた割には拍子抜けでした
静でもなく、動でもなく、その中間的な感じで
ううむ、もっと激しいロック的なものを期待したんだけどなぁ
これじゃぁエレキギターをバックにした浪曲だよ

この春、『あかてん通信』『いまいち通信』というブログで見た遠藤賢司さんの写真

あれを自分も見てみたいと思うのですね
いや、派手なパフォーマンスだけを見たいのではなく
真摯に音楽に取り組む姿勢を見たいのです

ギターをめちゃくちゃにかき鳴らしているように見えますが
よく聴くと抜群のテクニックと表現力です
そしてなにより、眼が本気です


その後しばらく経ってエンケンさんの演奏をたっぷり映像で味わう機会が訪れるのですが
それはまた近いうちに別の記事で...