6つめの「わたしが一番きれいだったとき」
さて、ワタクシの「わたしが一番きれいだったとき」を探す旅...
といってもPCの前に座って検索しているだけですが (^^ゝ
そろそろ終えようかと思います
今回紹介するのは、ピート・シーガーさんが作曲したものです
もちろん、前にも書きましたが、茨木さんの詩に直接曲をつけたのではありません
片桐ユズルさんが英訳したものに曲をつけたものです
聞くことができた音源は『Seeds:The Songs of Pete Seeger, Vol.3』というCDで
「Pete Seeger and Friends」というクレジットが示すとおり
ピートさん以外にもいろんな歌手が参加したアルバムで
あいにくこの曲は彼自身が歌っているものではありませんでした
Amazonで一部が試聴できますが、とても物悲しい女性の歌声です
ある意味、ピート・シーガーの声で聞くより良かったとも思います
…失礼。でも、彼が歌っているレコードがあるらしいです
ここで、自分の先入観に気づきます
ピート・シーガーだからもっと挑発的な歌ではないかと思っていた自分に
でも、聞こえてくる歌声は切々と流れる女性の声です
そういう意味でピート・シーガーの声で聞くより良かった気がするのです
あえて非常に乱暴な言い方をすれば、この詩は
「娘盛りの時期に戦争があったせいで、おしゃれも恋も楽しめなかった。プンプン」
という自分の気持ちだけを書いた詩です。書かれた言葉だけではね
それが読み手の心の中には反戦・厭戦の詩として伝わってくる、いや、湧いてくる
そういう気持ちになるためにも、ひところのピート・シーガーのような
それは彼に対して持っているイメージの大部分でもあるのですが
アジテーションの歌ではなく、こんな静かな歌のほうが
むしろ引き寄せられるような感じがするんです
茨木さんが詩に書いたのは太平洋戦争ですが
1967年にこれ(正確には英訳詩)に曲をつけたピート・シーガーは
当然ベトナム戦争を念頭に置いていたことでしょう
そして、今これを聴く事は、その後の民族紛争が引き起こしている
隣国間の争いや内戦をも連想してしまいます
このサイトで引用されている茨木さんの文章が...
適切な表現ではないかもしれませんが、とてもチャーミングでした
WHEN I WAS MOST BEAUTIFUL
When I was most beautiful,
Cities were falling
And from unexpected places
Blue sky was seen.
When I was most beautiful,
People around me were killed.
And for paint and powder
I lost the chance.
When I was most beautiful,
Nobody gave me kind gifts,
Men knew only how to salute
And went away.
When I was most beautiful,
My country lost the war.
I paraded the main street
With my blouse sleeves rolled high!
When I was most beautiful,
Jazz overflowed the radio,
I broke the prohibition against smoking
Sweet music of another land!
When I was most beautiful,
I was most unhappy,
I was quite absurd,
I was quite lonely.
コメント
エンドウマメ
この歌って、たまに高石さんが歌う「主婦のブルース」ですかね?
娘盛りのときに戦争で・・って歌詞の内容でしたから。 いろんな
レコードを聞いていると、何処かで聞いたメロディー・・と云う事が
しばしばあります。 探すだけでも楽しいですよね。
お昼から、京都府立文化芸術会館に行って来ます。 昔はここで
フォークスの「博物詩」を作って来たなぁと思うかも?
まつお
▽エンドウマメさん
ごめんごめん、紛らわしい表現でしたね
茨木さんの元の詩の表面をなぞると
そういう風に言ってるように聞こえる、という話なんです
もちろん、自分でも書いてて「主婦のブルース」を連想しましたが
「主婦のブルース」のオリジナルは中川五郎さんですが
彼は茨木さんの「自分の感受性くらい」に曲をつけて歌っています