さようならわが友よ


 
残ったひとつのパンを 半分づつ分け合って
君はぼくに 明日を語った
なんにもない時には なんにも食べないで
ぼくは君と 夢を見て寝た

どうしてそんなにいつも 話すことがあるのか
話しても話しても つきることがない
まわりの人がいつも 不思議がったけど
夜ごと夜ごとの 語らいだった

  さようならわが友よ
  君はほんとうに いいやつだった
  この世に生まれてきて この世を去る日まで
  再び出会うことは もうないだろう

いつの間にか君は 大人になっていたんだね
言葉は同じでも 意味が違うもの
もういちどすべてを 捨ててしまえなんて
ぼくには言えない 言うことでもない

ぼくらは若かったのか それだけのことなのか
小さな違いを 許しはしなかった
怖いもの知らずで いただけのことなのか
あるものすべてを 認めはしなかった

  さようならわが友よ
  君はほんとうに いいやつだった
  この世に生まれてきて この世を去る日まで
  再び出会うことは もうないだろう

作詞/笠木透 作曲/田口正和

このあいだ、風呂に入っていたら
ふと、この歌が頭に浮かんできました

頭に浮かんだと言っても、通しで覚えてはおらず
歌詞やメロディを断片的に思い出しただけだったのですが
なんだかむしょうに懐かしく、そして切なくなってしまいました

この歌について評論しているきたやまおさむさんの文章を
ずっと前に読んだことがあったのですが
今はすでに書棚から無くなっています
もういちど読み返したい...そう思うのですが
本の題名が思い出せません
思い出せたとしても、図書館や古本で手に入るかどうか

そのきたやまさんと、作詞の笠木さんが二人並んで歌ったのが
この歌を聴いた唯一の記憶です
  21年前の今日、7月19日でした

誰か、もういちどワタクシの前で歌ってくれませんか