人生転換

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人生転換―国会議員になったサラリーマン

衆議院埼玉6区選出の大島敦さんという国会議員がいるのですが(2000年に初当選)
その人が書いた本です...なんで今頃?
いえ、ワタクシが2週間ほど前にこの本を知ったんですよ。書かれたのは2001年

「19年間のサラリーマン生活を送った著者が民主党の衆議院候補者公募に合格し、
 政治家へと転身した道のりを描く。(「MARC」データベースより)」
という内容の本で、さらに解説は
「サラリーマン生活に飽きたらず新しい人生を模索している人や起業を志す人への指針」
と続くのですが、正直言ってあまりそんな大仰な感じがしないんですね
なんか「なるべくしてなってしまった」みたいな印象なんですよ

サラリーマンから国会議員になったといっても、特別珍しいことではないですしね
親が総理大臣になったばっかりに石油会社を辞めたりテレビ局を辞めて
後継者の道を歩むことになった人もいたわけですから
特に元石油会社の人は最初「自分は政治家になるつもりはない」って言ってたそうです
それが最後は自分も総理大臣ですからね。こちらがよほど波乱万丈かもしれない
  でも、辞め方を見ていたら、初志貫徹だったのかな(笑)

この大島さんの場合、劇的突発的な事件があったわけでもない
そりゃぁ市会議員ではなくいきなり国会議員ですし、金やコネがあるわけでもない
予想よりも解散総選挙が早まって無名の新人には不利な状況になってしまい
それはそれで大変な日々だったとは思うのだけど
この本ではあまりそういうことに多くのページが割かれておらず
サラリーマン時代の話などから、この人の心情や人間性がうかがえてきて
徐々に政治を志す気持ちが醸成されて行く様子がこちらにも伝わってきたから
「なるべくしてなっちゃんだな」と思えるのですね

日本鋼管(現JFE)に14年、ソニー生命で5年のサラリーマン生活を送ったわけですが
ソニー生命時代は好成績を挙げていたわけではなかったそうです
ただ「唯一誇れるのは、私が販売した保険では解約がないということだ」
お客さんの立場に立って契約した保険だから、お客さんに合った内容の保険だから
だから解約する必要がなかったと信じているそうですが
お客さんも彼を信頼しているのでしょう

だから「なるべくしてなっちゃんだな」と思えるのです

本人の政治家になりたいという気持ちだけではなく
そんな彼を担ぎたくなる魅力がここにあるのでしょう


実を言うと、ソニー生命時代の大島さんとは面識があるんですよ
よく私の仕事場を訪ねてきて、会社としての契約もあったのですが
雑談をするうちにワタクシの入っている保険についても分析して
いろいろアドバイスしてくれました。ソニー生命への勧誘はナシで

その彼が、どうしていきなり政治家になっちゃったのかと
当時は驚いたものでしたが
今こうやって書かれたものを読んでみると
あの誠実さの延長にあるのだと感じまたね
「なるべくしてなっちゃんだな」

と言いながらも、ひとつ「へぇ~」っと思ったのは
日本鋼管時代、西ドイツに駐在員として赴任していたのですが
本社からいろんな調査の指示が来るんだそうです
その中のひとつが「フォルクスワーゲン社がハムを作っているから取材に行け」

日本鋼管も遊休地で豚を飼ってハムを作る計画を立てたので
なんで自動車メーカーがハムを作っているのか調べて来いというわけですね
...これって六合(くに)ハムじゃない

仕事場に行く途中に日本鋼管の関連会社の工場があって
以前は道路に面して「六合ハム」という大きな看板が立っていました
その後、実際に野反湖のコンサートなどで六合村を訪ねる機会が何度もあり
つい先日もソーセージを買ってきたばかりだったのですが
そういう親近感のある六合ハムの開発に彼も関わっていたということに
妙なところでつながっていたもんだと思いました
ほんと、人の縁というものはどこかでつながっているもんです


余談ですが、読売テレビの解説委員に辛坊治郎さんという人がいます
ワタクシこの人の顔を見るたびに大島さんを思い出してしまうのですが
こうやって本を手にとって表紙や文中の写真を見ると
そんなに似てるわけではないですねぇ
記憶が怪しくなるほど疎遠になっちゃったのかなぁ


『人生転換―国会議員になったサラリーマン』
大島あつし・著/全日法規・刊