光の教会―安藤忠雄の現場
やっぱり読んでしまいました (^^ゞ
前に紹介した『磯崎新の「都庁」』の著者による
続編...ではなく、こちらが処女作になります
建築家安藤忠雄の代表作の1つに、大阪府茨木市の日本基督教団茨木春日丘教会がある。コンクリート打ち放し。直方体の箱のようなシンプルな教会堂。十字架の形をした窓が正面の壁いっぱいにくりぬかれ、そこから太陽の光が内部に差し込む。明るい光とほの暗い室内のつくり出すドラマチックな対照。「光の教会」とよばれるゆえんである。
本書はこのユニークな教会堂がどのようにして構想され、設計、施工されたかを丹念にたどったノンフィクションだ。大学院で建築構造学を学び、構造設計事務所で実務を経験した著者の筆により、読者は建築の現場で何が行われているのかを実感することができる。コンクリートの軟らかさが少し違うだけで、どれだけ工程に影響するのか。なぜ建築家はその違いにこだわるのかといったことが、誰にもわかりやすく語られる。また、安藤のラフなアイデアがスタッフの手によって設計図にまとめられ、それを施工業者が工事現場で実際につくっていく過程が臨場感たっぷりに描かれる。(Amazon の内容紹介より)
『都庁』から遡ること7年前の作品ですから
著者の文章も、軽妙ではあるけど、あれほどユーモラスではなく
構成もまだまだ素直というか正攻法で書かれている印象ですが
それだけに登場する人たちのキャラクターが光っています
とはいえ、本書が建築の技術面に偏っているかといえばそうではない。1つの建物ができあがるまでには、何人もの人々がさまざまな立場からかかわるのであり、そこには人間くさいドラマが生まれる。安藤と彼のスタッフ、牧師と主だった教会員からなる建築委員会、そして施工業者が互いにどのような会話を交わし、何を考えていたかについての著述も十分な量を与えられている。ストレートにものを言い、次々に大胆なアイデアを発想する安藤という魅力的な人物なしにこの本は考えられないが、周囲の人物もそれぞれ重要な役割を演じている。第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。(Amazon の内容紹介より)
建築というのは、設計者と施工者がいて
そして何より施主というものがいて
この三者の共同作業であったり、時には対立の産物であったりもするのですが
一般の人には知らざれる世界であったりもします
だから、そういった「ギョーカイ裏話」的なものを解きほぐしながら
そして面白く、最後には感動的な読み物に仕上がっています
やっぱりキャラクターが光ってるんだ
...それにしても、ワタクシ、建築モノが好きですなぁ (^^ゞ