北村謙 Banjo ひとり旅

 

帰りに買い求めたCDのジャケットです

昨日の日曜日、北村謙さんのライブに行ってきました
...と、お名前を挙げても「それ、誰や?」と思う人もいるでしょうね

京都をベースに活動するバンジョープレーヤーで
長い活動歴でいろんなグループにも参加してますから
これが北村謙だ、と認識していなくても
彼の演奏を耳にしている機会があるかもしれません

ということが実はワタクシ自身にも言えまして
お名前こそかねてより聞き及んでおりましたが
その演奏をちゃんと耳にしたのは初めてなのでした (^^ゞ

ひょんなことから隣町の熊谷でライブが行われることを知ったのが前の晩
とある配慮によりネット上に会場の詳細な所番地が公開されていないため
関係者に問い合わせて場所が判ったのが開演数時間前でした

それっとクルマを走らせて夫婦で駆けつけたのは
ワタクシの仕事場から3kmほど離れた住宅地の中にある...
そう、この日のライブは
「おと」さんというアマチュアミュージシャンの
自宅のリビングルームで行われたのでした

  昨年の正月にスラックキーさんの家で宮崎勝之さんのライブを聴きましたが
  北村さんと宮崎さんは少年倶楽部というユニットで一緒です

ここでワタクシとツレアイは
この家(や)の主(あるじ)である「おと」氏や
チューニング及び本番前の精神集中に励む(?)北村さんそっちのけで
ひょんな関係者である「ちすもん」氏としばし歓談に及んだのでした
本日ここに現れるという彼と久しぶりに会いたいなというのが
そもそもここに駆けつけた動機だったのですね

あ、動機はこれでも、近隣の町で北村さんのライブを聴ける!
という機会に喜んで来たというのは間違いありません


閑話休題、本番です
独酔舎さん、ちすもんさんのオープニングアクトに続いて
いよいよ北村さんの登場です...あ、トイレ行きたくなった (^^ゞ

  余談ですが、独酔舎さんも先日の『小室等&八木のぶお』を聴いていて
  その感想を書いたブログ記事は大変興味深く読ませていただいていました
  まさかその御当人に、ここでお目にかかれるとはね

途中でトイレに立ったりドリンクの追加を頼んだり(こちらはワタクシじゃないよ)
文字通り、アットホームなライブです
10人ほどのお客さんだけではなく
キッチンに居る「ドリンク販売係」の娘さんとも軽妙なやり取りをしながら
楽しくステージが進んでゆきます

バンジョーという、非常にバタ臭い楽器を使いながらも
なんだかとても日本的なものを感じてしまうのは何故でしょうか?
異文化を取り込んで自家薬籠中のものとする京都の伝統?
童謡や妖怪といった日本的な題材を抜きにしても
彼の演奏の中には、しっくりくるものを感じるのです
同じバンジョー弾き語りというスタイルでも
村上律さんの場合は「カントリー」を聴いている感じなんですよね
もちろん、それはそれで好きなんですけど

この日初めて聴いただけなので、昔の北村さんがどうだったかは知りません
バリバリにカントリーやブルーグラスを極めようとしていたのかもしれません
また、そうでなければバンジョーの腕も磨けないでしょう
でも今は詞(ことば)を伝えることに、思いを伝えることに重きを置いている
だからカントリーの形式に合わせてバンジョーを弾いて歌うのではなく
自分の歌に合わせてバンジョーを弾く、奏法もそれに応じて変化させる

  奏法といえば、北村さんは「クロウハンマー奏法」という弾き方をなさるのですが
  右手をじ~っと見つめていても指の動きが判りません
  それでどうしてあんな矢継ぎ早に音が出せるのでしょう?

「バンジョーにはまだまだ可能性がある」とおっしゃる北村さんですが
それはある意味先鋭化するのではなく普遍化するのではないか
そして、普遍化したものを日本人であるワタクシが聴けば日本的に聞こえてしまう
そういうことではないかな...と、小難しいことはチラッと思っただけで
あとは楽しい時の流れに身を任せていたのでした

北村さんは、素晴らしいバンジョー弾きであるとともに
それ以上に素晴らしい歌うたいだったなぁというのが
初めてその歌や演奏に接した感想です


子供たちの食事の支度もあり
ツレアイは乗ってきたクルマでライブが始まる前に帰宅したので
電車で帰ることにしたワタクシは...お酒が飲める(笑)
ライブ中に缶ビールをいただいただけではなく
つい打ち上げまでご一緒してしまったのでした

それにしても、まったく予期さえしなかった日曜日の展開になりました
なぁにが「明日の日曜日はゆっくり目を休めたいと思います」だよ > 自分 (^^ゞ