相続人調査

 
父の遺産を相続するに当たり
配偶者である母と、子供であるワタクシと妹
この3名が相続人となるわけですが、自分で名乗りを上げるだけではいけません
客観的にそれを証明する書類が必要になります
それがつまり「戸籍」です

金融機関によっては「出生から死亡の事実が判るものまで連続してすべて」という
ふだん戸籍とは縁の無い生活をしているものにとっては意味不明のことを言ってきます
「戸籍って、ひとりにひとつだろうが? 何で連続してすべて、なんや?」

いや、そうじゃないんですね
まず生まれると親の戸籍簿に書き加えられるのですが
結婚すると独立して別の戸籍を新規に作成します
親の戸籍からは線を引かれて除籍されます
筆頭者になる場合もあれば配偶者になる場合もあります
で、先祖代々同じ土地に住んでいれば
役場に行って、この二つを取ってくれば済む話ですが
なかなかそう簡単に済む例ばかりではないのです

たとえば任意で本籍地を移す人がいます
聞いた話では、皇居の住所を本籍地にしている人が相当数いるそうですが
父は出身地の新潟から現住所に移していました
あのときは「これでいちいち新潟から取り寄せなくっていいから便利だね」
そう思ったものでしたが
法人の役員にでもならない限り、人生において戸籍謄本が必要になることは滅多になく
死後ようやく必要になったときに話がややこしくなってしまう
というか取り寄せ先が増えてしまったのです

それと、最終の「死亡の事実が判る」戸籍謄本には
ワタクシと妹の名前が始めから載っていません
これはつまり平成12年頃に全国的に戸籍を電子化したときに
「その時点で無効な情報は入力しなかった」のですね
ですから、電子化の原稿になった戸籍(原戸籍)も取って初めて
ワタクシが長男として出生し、結婚のため別戸籍を作って除籍されたことが判るのです
  それでワタクシの今の戸籍も取り寄せ
  それによってワタクシの存在を確認すると同時に
  相続が終わるまでにワタクシが死んでしまった場合
  繰り上げ当選になる子供たちの存在も明らかにしてあります

我が家ではそういうことはありませんでしたが
離婚や結婚を繰り返した人もいますし
その中で「別れた相手が連れて出た子」が現れる場合だってあります
今まで誰も知らなかった事実が明らかになることもあるでしょう

つまり、この戸籍集めというのは
「相続人になる人」「繰り上げ当選の可能性がある人」を徹底的に調べ上げるのです
一人でも除け者にしての遺産分割は無効ですからね

  銀行の場合は正しく遺産相続がなされたかを監視すると言うよりも
  あとからトラブルに巻き込まれたくないというのが本音のようです
  隠し子が「どうして俺以外の人間に預金を渡したんだ!」
  と言って来られても困りますからね

それやこれやで、いくら役所に郵便で依頼できるからといっても
夜、仕事から帰って手紙を書いて取り寄せてみて
ああ、まだこれが足りなかった、この親戚の戸籍も必要だった
などと試行錯誤していては時間と手間と送料だけがかさんでしまいます

というわけで、この手間だけはプロに任せることにしました。司法書士さんです
彼らは職権で身内以外の戸籍謄本を取り寄せることができますし
何より普段からこの手の書類は読み慣れています
「相続人調査」というキーワードでググると
ネット上で申し込み受付をしている司法書士さんが何人もヒットします
今回はそういう人の一人に頼んでやってもらいました
  下に登場している人ではありません

ウチの場合、深谷市役所と新潟市役所の2ヵ所だけで済むと判っていたし
それくらいだったら自分でやってもいいかなと思ってはいたのですが
送られてきた古い手書きの謄本の束や、そこに記された知らない親戚の名前を見ると
やっぱり頼んでよかったなぁと思いましたね


ちなみに書類が送られてきた後、その司法書士さんからメールが来て
不動産の登記も安く引き受けますよと書かれていました

そうだよ、相続するのは銀行預金だけじゃなかったんだ
土地家屋の登記手続きも、彼とは限らないけどプロに任せるかな
熊谷の法務局はたまに行くけど、自分じゃそんな手続きやったことないからなぁ
...それとも、これはチャレンジしてみるか?