感謝...墓碑銘

 


今日はお彼岸ということで、とある霊園に行ってきました

といっても誰かのお墓参りということではなく
昨今のお墓というものについて知識を得ておこうと
まぁ路上観察的興味で行ってきたのですね
お彼岸だったら他にも人が何人も来ているだろうから
こんなオカシナ目的を持ったのが紛れ込んでも怪しまれないでしょう(笑)

で、最近は洋型って言うんですか、オルガン型とも呼ぶらしいけど
横長の形が流行っているらしいですね...地震に強そうだということもあるみたい
ま、完全に洋式って言うと外国映画に出てくる墓地みたいに
芝生の上に直接プレートを置いた形なのですが
これは霊園全体をそうやって統一しないと景観としてメチャクチャになるので
純粋に洋式というよりは、和洋折衷みたいな形ですね

特徴的なのは、碑文に一般的な「○○家ノ墓」という家名などの文字を彫りこむ代わりに
好きな言葉やお花のレリーフなどを彫りこんだりしてあるものも多いということですね
特にキリスト教徒のお墓には聖書の一節らしい言葉があったりします

そんな中で目についたのが「ありがとう」という言葉です。わりとこれが多かった
ワタクシはこれを、お墓の中の人からのメッセージだと解釈したのですが
妹はそうではなく遺族から故人へのメッセージだと思ったのです

そう言われてみれば、例えば隣にある「やすらかに」という墓碑は
これは明らかに遺族からのメッセージですよね
  でも、なんとなく死者を封じ込めているような気がして
  個人的には好きになれませんが...「化けて出るんじゃないよ」

その流れから行くと、「ありがとう」も死者に対する感謝なのでしょう
でも、そういうことって墓参りに来たときに思うなり口にすればいいことで
墓に刻むとすれば、中に入っている人からのメッセージの方がいいんじゃないか?
...とワタクシは思うのですね

本田宗一郎、という人はホンダの創業者ですが、あの人は生前から
「素晴らしい人生を送れたのもお客様、お取引様、従業員の皆さんのおかげだ
 俺が死んだら世界中の新聞に『ありがとうございました』という
 感謝の気持ちを掲載してほしいんだ」
ということを言っていたそうです
きたやまおさむさんが作詞した『感謝』という歌も
今まさに死にゆく人が別れを告げる歌で
頭の中にそういう下敷きがあったから
この「ありがとう」を墓の中の人からのメッセージだと思ったのかもしれません

それと同時に、外国のお墓って故人を紹介した墓碑銘って多いじゃないですか
「いつも実直に生きた者、ここに眠る」なんてね
「ここにリチャード医師眠る。彼はこの墓地の半分を死者で満たした」(藪医者)

あ、そうか。つまりワタクシはお墓に主張してもらいたがっているのだ
きっとそれはワタクシがお墓の主とエンモユカリモナイ第三者なので
何らかの説明や主張があることで関わりが持てると感じているのでしょうね






言葉だけではなく花の絵姿を刻むという例はいくつもありましたが
花に水をやっているジョウロの絵も刻んであるのがひとつありました
この方は生前ガーデニングが趣味だったのでしょうか?
あと、ラグビーボールやサッカーボールの石像が添えてあるお墓...

日本のお墓に故人の趣味や生前好きだったものをあしらう例が少ないのは
その人ひとりでお墓を占有するわけではないからというのも理由だと気付きました
つまり「先祖代々の墓」ってやつです
まぁ最近は核家族化が進み、子供たちも独立して遠くに住んだりするから
せいぜい夫婦二人で使えばいいやってのも多いかと思うのですが
それでもご主人が好きだったゴルフクラブの絵を彫りこんだら
日曜日のたびに留守番させられた奥さんとしては
「あの世に行ってもゴルフかよ...」と思っちゃうかもしれません

それやこれやで、多少は流行による変化があるのかもしれませんが
ある程度は無難な形に落ち着くのは当然なのかもしれません
べつにワタクシを面白がらせるためにお墓を作るのではないのですから