切り株

 


本日訪問した先の、さらに近所に用ができて歩いていたら
道路脇に切り株を見つけました

  最初、向こう側から歩いてくるときに見つけ
  戻る際に写真を撮ったものです

ワタクシはこの町の住人ではありませんから
この木が切られた経緯というものが判らないのですが
ともかく、ここにあった木を擁壁・ガードレール工事をした際に
まずは路上に遺そうとしたものと思われます
この部分のコンクリート内にどれくらい鉄筋が入っているかが気になるのですが
木が根を張った状態のままコンクリートを打ち、ガードレールを設置してしまったと

それが年月が経つうちに、おそらくは枝葉が茂って通行の邪魔になり
あるいは隣地の地主から苦情が出て
いや、ひょっとすると木の成長がガードレールと干渉することが判り
だいいちそれ以前に木が太くなればコンクリートを割ってしまうだろうから
やっぱり切らざるを得ない、ということになったのでしょうか



しかし、それにしても
どうしてもっと地面に近いところから切ってしまわなかったのでしょうか?
いや、よく見るとノコギリの刃を入れた形跡が見られます
それをどうして、道路から外にはみ出したところで切ったのでしょうか?

ワタクシは不思議でならないのですが
きっと地元の皆さんにとっては、日常の当たり前の風景なのでしょう
誰も気に留めずに歩いており、立ち止まってケータイカメラで撮影するワタクシは
切り株以上に不思議な存在だったのかもしれません


「トマソン」という言葉が頭をよぎりました
「建築物に付着して、美しく保存されている無用の長物」と
赤瀬川原平さんたちが発見、定義した概念です...のちに路上観察学会も発足しました
ワタクシが思うに、この切り株はたしかに路上の不思議物件ですが
トマソンと呼ぶにはいまひとつ条件が欠けているような気がします
ただ、この切り株のあった場所というのが
ニラハウスこと赤瀬川源平邸から歩いて数分というのが
そこはかとないオカシミを伴ってワタクシの頭の中に
「トマソン」という言葉を響かせたのでした

というわけで本日は3年ぶり、そして白日の下でニラハウスの前を歩いてきたのですが
ガードレールの芝壁が板張りになり、大屋根が銅葺きに変わっていました
だとすると「藤森葺き」だと思うのですが
これまで知っている「藤森葺き」よりはずっとおとなしい波うち加減でした
ま、ニラハウスの屋根は勾配が緩いので
野蛮ギャルドの荒々しさでは雨漏りの恐れがあるのかもしれません