ナウシカの飛行具、作ってみた

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宮崎駿さんの『風の谷のナウシカ』というコミックを初めて読んだとき
ワタクシはトルーキンの『指輪物語』を連想したのですね
『指輪物語』は人間がこの世に現れる前の遥か昔が舞台だったけど
こちらは反対に、(今の)人間がいなくなった未来が舞台でした
それでも何か共通する世界観が感じられる壮大なファンタジーでした

ナウシカは未来の話ですから
人間が遺した機械文明の名残りがそこかしこに出てきます
その中の一つに「メーヴェ」という飛行具が登場します
主人公の少女ナウシカが操って空を飛ぶ無尾翼機
というより、見たところ主翼だけで飛んでいるグライダーのようです
ただ、グライダーと違うのは自分で推力を発して飛べるということ

これを実際に作って飛ばした人がいる

しばらく前に新聞記事で知り
ネットで公開されている動画を見たら...おお、本当に飛んだ!

感動していろいろ調べたら
あのネットの動画に至るまでに10年もの月日がかかっているのだそうです
そりゃそうだろうなぁ、ちょっと思いついて一朝一夕にできるものではないでしょう
この人の場合、模型を作り、ゴムカタパルトのグライダーを作り
そして最終的にジェットエンジン搭載の最終型に至ったそうですが
開発費用が9,000万円以上だそうです
  ま、これでもホンダジェットに比べれば桁外れの低費用ですが
そこまでして取り組む「本気度」ってなんなのでしょうね

「いつか現れるナウシカのために」

このプロジェクトを進めた八谷和彦さんは、こう言っています

紛争が絶えず、キナ臭い匂いが漂うこの世界
腐海が広がる予兆を感じさせる出来事

コミックや映画で描かれた世界にナウシカが現れ
メーヴェを駆って調停を図ったように
この現実世界にもいつかナウシカが現れるなら
その乗り物を用意しておいてあげよう

もちろん彼はメディアアーティストですから
これは作品の一つであることは間違いありません
商業的にも制作費を回収しなければならないでしょう

それでも、この作品の根底には「希望」という
素朴な思いが流れていて
見る人を感動させるのだと思うのです
...ネットの動画を何度も観た挙句、本を買ってしまいました