透明標本

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8月の終わりに、群馬県立館林美術館
『夏休み!いきもの図鑑』という企画展を見てきました
...美術館ですよ、博物館ではありません

というわけで図鑑や絵本、広告に載せる絵の原画の精緻な細密画に圧倒され
群馬県内の生き物をテーマにした写真に心癒されながら展示室を巡っていたのですが
そんな中で、ワタクシの目をとらえ、魅せられてしまった作品がありました

透明標本...そう、ここは美術館です
いわゆる「理化学標本」はガラス瓶の中に白濁したオサカナなんかが入っていて
見ようによってはグロテスクだったりするのですが
こちらは赤や青に染まった骨格標本が乳白色のバックライトに浮かんでいるのです
「美しい」
その一言しかありません

  たんぱく質を酵素により透明にし
  硬骨を赤紫、軟骨を青色に染色をする

という方法で作るんだそうですが
これを聞いて、子供のころに読んだ「透明人間」という小説を思い出しました
透明化した主人公の姿の驚いている友人に向かって
「原生動物の多くがそうであるように
 生物が透明になるってのは不思議なことではないんだ」
みたいなことを言ったような記憶があるのですが
いやほんと、ここまで透明になってしまうんだねぇと
感心してしまったのでした

  ま、それにしたって骨までは無理みたいだし
  空気のように透明ってわけにはいかないでしょうが


いろいろ技術的には難しいのでしょうが
とにかく見ていて「きれい」なこの作品
なんと実物が3,000円くらいから買えるんですね
さすがにその値段じゃメダカくらいの大きさになってしまいますが
ミュージアムショップで売られていました
  作者のウェブサイトによると
  各地の東急ハンズやヴィレッジヴァンガードでも
  購入可能だそうです

買って帰ろうかとも思ったのですが
1個だけ置いてもパッとしないし
我が家だと保存状態が悪くなりそうなので
思いとどまって帰ってきて
とりあえず図書館で本を借りてきました(笑)
でもやっぱり本物の迫力にはかないませんね
これはほかの作家の作品にも言えるんですけど

と書いておいて、ごめんなさい
遠くの人はもちろん、お近くの人にも申し訳ないのですが
企画展示は8月いっぱいで終わってしまいましたので
この記事を見て駆けつけてもやっていません。あしからず


公式サイト:[新世界]透明標本®
冨田伊織