そこに唄が流れたら

 


土着民のメンバーで付知の大棟梁こと三尾信彦さんが
ソロのCDを出したのを記念して、東国遠征に来られ
武蔵国、宮内家でライブを行うというので
こりゃぁ、ぜひとも行って聴かねばならぬと11日の晩に出かけてきました

5月に発売されたCD、『そこに唄が流れたら』には小室等御大が
「付知に行かなければ聞けなかった、土着民・三尾信彦の歌が
 このアルバムで聴ける
 三尾ちゃんの作る歌には忘れてはいけない“優しさ”がある」
というコメントを寄せているのですが
その言葉を借りれば、付知に行かなければ聞けなかったナマの歌声が
南浦和駅下車徒歩3分で聴けるのです

いやぁ、行って良かったぁ!
そりゃまぁ、土着民としてはつい8月にも野反湖で聴きましたが
  バルちゃんはいなかったけどね
あの雄大な空間で聴くのと、宮内家で聴くのとでは趣が違います
それにほら、土着民って、メンバー同士の牽制というか照れ隠しというか
笑い飛ばして踊りたくなる歌が多いんですよね
しんみりとした歌もあるけど、ライブではなかなか披露されないそうです
ということで、今回は一味違った歌を堪能してきました

ワタクシ、フォークソングというものを「生活者の歌」と訳しています
それを言うならブルースだって生活者の歌なんだろうと思いますが
いずれにせよ、「アマチュアならでは」「アマチュアだからこそ」という
思いのたけが籠められているのが「フィールドフォーク」なんだろう
まったくもって個人的な定義づけなんですか、そう思ってます

三尾さんや土着民の歌はいつも共感と憧憬を持って聞いているのですが
宮内家でのナマの歌声には圧倒されました
正直、「僕の町」を聴いたときは目頭が熱くなりました
高校時代に作った歌だとのことですが
ある意味、「だからこそ」純な心と言葉でできた歌なのかと思います

いやぁ、素敵なライブでした

とまぁいい気持で宮内家を後にしたんですけどねぇ
乗換えの浦和で電車を間違えて遅くなり
  それも、深谷に着くはずの時刻にまだ吹上あたりにいて間違えに気付いた
結局帰宅は午前様でした (^^ゞ
このドジさがなんとも土着民のユーモアとペーソスに通じるような
そんな晩でもありました


これを書きながら、ワタクシは松山千春さんを思い出してなりませんでした
千春ファンは怒るかもしれませんが、ワタクシ、彼が唄うラブソングを聴いても
好きになれないというか、しっくりこない感じがするのです
でも、彼が唄う故郷に生きる者の心情を唄う歌には心を揺さぶられます
生まれた土地を愛し、都会に出て行った友を羨みもするけど
自分の生きる場所はここしかないと決心し
都会から傷ついて戻ってきた友を優しく迎える
...この手の歌を唄わせたら天下一品だとさえ思っていたのです

もちろん今は、「もう一人いるんだよ(笑)」