へこそうじ

ドキュメンタリー作家、門田隆将さんの著作に
『死の淵を見た男-吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』
というのがあり
その中にこんな一節があります
政府と東京電力が一体となった統合本部を設置し
当時の菅首相が東電本部に乗り込んで
「ここで撤退すれば東電は100パーセント潰れる
 逃げてみたって逃げ切れないぞ!」と
あの有名な10分にわたる演説を行った場面です

 その時、緊対室の円卓の中央の本部長席にいた吉田は、テレビ会議の映像とカメラの方向に背を向けて、すっくと立ちあがった。
 なんだろう? まわりが吉田を見た瞬間、吉田はズボンを下ろし、パンツを出してシャツを入れなおした。総理に尻を向けて、ズボンを下ろしたのである。
(なに言ってやがる、このバカ野郎)
 吉田はそう言いたかったのかもしれない。東工大の先輩でもある総理に対して、現地で死を覚悟した吉田自身も、空虚感と怒りを覚えていた。

実際に大きな局面であったわけですが
この文を読んだとき、ワタクシの頭にある言葉が浮かびました
「へこそうじ」
吉田所長が行ったこの仕草のことを
ワタクシが子供のころ、そう呼んでいたのですが
大人になってからは耳にしたことがありません
当時住んでいた地域から
博多、あるいは北部九州だけで使われていた
方言だったのかもしれませんが
博多弁を紹介しているサイトなどを調べても出てきません
あの『へっぱくBLOG』さんトコにも無いんです

ううむ、これも「きんめし」同様に
ワタクシだけが使っている言葉?
でも、「へこそうじ」は同級生も言ってたよなぁ

どなたか聞いたことがありませんか?

ちなみに、「へこ」は漢字で「兵児」と書き
「兵児帯」のことです

え? 兵児帯って何?
それはつまり、まぁ主に子供が使う簡素な帯だと思ってください
詳しくはこちら ⇒ クリック

いったん帯を解いて着衣の乱れを直すから「兵児掃除」
これが語源だと思います


...と、ここまで書いて
「きんめし」にリンクを張ろうと過去記事を検索したら

あちゃぁ、なんと「へこそうじ」という題名で
ほぼ同じ内容の記事を書いていたことが判りました ⇒ これ

実をいうと、最近は何か思うことを書こうとすると
結構前に書いたことと被ってしまうんですよ
15年近く続けているから仕方ないのかもしれないけど
記憶の保持力が弱まっていることを実感しております

ま、忘却力が高まっていると言えば
前向きにとらえることができるかな(笑)