歌い継ぐという「やくそく」
実は、インサイダー情報になるかもしれないと黙っていたのですが (^^ゞ
『坂庭省悟トリビュート・やくそく』に
宮崎勝之さんが参加して『ユリカモメの飛ぶ街』を歌うことは昨年の8月に
小室等さんが『戦争を知らない子供達'83』を歌うことは9月に知っていました
8月に群馬・野反湖で行われたライブで宮崎さんはこれを歌い
9月に信州・小諸のライブで小室さんは
「明日、安中のスタジオに寄ってレコーディングする」と言い
ライブ終了後の打ち上げで「何を歌うんですか?」と訊ねたのでした
前にも書いたように
ワタクシにとって小室さんがこれを歌うということは
自然な成り行きでしたが
それでもやっぱり、どんな歌になるのかが興味があると言うか、不安と言うか…
だって、元の歌は省悟さんらしくリズミカルで高らかに歌い上げるものでしたから
これを小室さんがどう歌うのかが気になるのは無理からぬことです
詳しい歌詞は書きませんが
これは子供が教科書に書かれている満州侵略や朝鮮併合について
今の歌詞にはありませんが南京大虐殺などの行為も含めて
大人に向かって「これは本当にあった話なの?」と問いかける内容になっています
しかし、歌っている小室さんはもう60歳を越えているので
子供の立場からの歌、というのもヘンな話です
しかし小室さんだって「戦争を知らない子供たち」でもあるのです
次の世代に歴史を伝えなければならない。でも、自分たちもよく知らない
ジローズが1970年に『戦争を知らない子供たち』を歌ったときは
子供が子供の歌を歌えばよかったと言えるでしょう
が、この『'83』を今歌うということは
子供の歌でもあり、大人の歌でもなくてはならないのです
さすが小室さんだなぁ こんな歌い方があったんだ
いかにも小室さんらしい節回しで、でも、今までこんな歌い方は聴いたことがない
字余りソングではなく、字足らずソングとでも言いたくなるような
言葉と言葉のつなぎ目に不思議な余韻がはさまるような
ちょっと印象的な歌になっていました
…いやぁ、自分自身がこの歌や小室さんに特別な思い入れがあるせいか
自分の耳がそういう風に聴いてしまったのかもしれませんけどね
そうそう、元の歌ではラストが「希望に向かって今日も歩き始めよう」と
それこそ高らかに歌い上げているのですが
小室さんはその前の「私の歴史は始まったばかりです」を
2回繰り返して歌い終えてしまいました
まぁそれはそれですごく余韻が残るアレンジだったのですが
一瞬「もとい!」と言って歌い直したのかと思ってしまいました
ライブで歌詞を間違えたときなど時々これをやるんですよ、あの人 (^^ゞ
ライナーノートの中で小室さんが
一昨年の『椛の湖音楽まつり・八耐』に参加したときのことを書いていたのを見て
思わずニヤッと笑ってしまいました
レコーディングの前の日、つまり小諸でライブがあったときなんですが
ワタクシが着ていたTシャツというのが、その八耐コンサートの記念Tシャツでして
背中に出演者の名前がズラ~っと書いてあるんです
一緒にいた娘のゆいさんと「あ、オレの名前も書いてある」なんて
そんな話に興じたことも、レコーディングにプラスに作用していれば
ファンとして嬉しいことのひとつです…あ、ミーハーだなぁ
…そっかぁ、このシャツは去年2回着たけど
もう1回は野反湖のコンサートの日だったんだ
あまりに派手なので、普段はツレアイが嫌がり
省悟さんの気配が漂う場所でしか着用しないのです
コメント
suzume-ya3
>次の世代に歴史を伝えなければならない。
『戦争を知らない世代には、先の戦争の責任はない。でも「知る責任」はあるし「2度と起さない責任」も負う。』
私の高校の恩師は、過去の過ちについて、それを学ぶのは「義務」ではなく「責任」と言いました。
義務と責任の違い。解るようになったのは最近です。
責任・・・果たしてないなあ、とも思います。
エンドウマメ
行って来ました! 坂庭省悟トリビュートCD発売記念ライブへ。
CDは会場で買おうと思っていたので、誰がどの曲を唄うのかは
判っていたのですが、どの様なアレンジになっているのかが心配でした。
マメは、フォークスのコンサートを企画していて、笠木さんたちと
一緒に遊んだり、話をしたりしていたので、大体の唄なら知っていますし
省悟さんが残した88曲には、思い出も沢山あります。
そんな省悟さんの作品を、埋もれさせるのは忍びない・・・と思ってた所に
このCDの話を聞きました。 OWLが唄う「小さな舟」は、原曲は
のんびりとした感じなのですが・・・ライブでは、CD以上のギンギンロックで
ちょっと・・と最初は思いましたが「カッコエエなぁ!」って、省悟さんなら
云うなぁと思いました。 でも、フォークスの想いが強い人は
受け入れられないだろうなぁ。 ユカリ姉さんの「マリンブルー」は
す~っと受け入れられたし、イサト師匠やアリさんも大御所の雰囲気を
漂わせるエエ感じでした。 ライブ終了後、CDジャケットに出演者の
サインを、お遍路さんの如く回って貰いまくりました。
TodomatsuHouse
▽雀屋さん
「義務」ではなく「責任」…毅然とした言い方ですね
ううむ、この歳になってまだ義務さえも果たしてないような
TodomatsuHouse
▽エンドウマメさん
ライブ良かったみたいですね…こっちでもやらんかな?
ところで、フォークスのソングブックの中で
笠木さんが腰に布を巻いてサモアのダンスしている写真があるでしょ
『小さな舟』を聴くといつもあの写真を思い出すんですよ
「ゆ~らゆら」のところで、ね
パワフルなOWLの二人に、あのえもいえぬ脱力感を求めるのは…
こんな歌い方もあるんやと面白がったモンが勝ちです (^^)
エンドウマメ
26日(日)に、SAMの松崎くんのソロライブに、行って来ました。
そこで「ザ・還暦」の時に、きたやまさんが唄った「戦争を~'83」の
歌詞の『希望に向って 今日も歩き始めよう』を唄われなかった事に
対して、松崎クンに聞いたのです。 すると『きたやまさんは、希望を
失くした訳でも無くて、みんなに考える何かを提供したいと思われていて
きたやまさん自身の考え方を押し付けるのでは無くて、みんなで
これからの日本について考えて欲しいので、問題提議なんだ』と
答えてくれました。 ナルホド・・・・・と納得してしまったマメでした。
TodomatsuHouse
▽エンドウマメさん
たしかにラストのあの部分を歌わずに終わられると
「さぁ、お前はどうする?」と言われている気分になってきます
僕たちは彼らに憧れてフォーク好きになったが
彼らはアジテーションをしても、責任は取ってくれない
あくまでも自己責任で、覚悟を決めて
僕たちはフォークを歌い継がなくてはいけない
誤解されそうな表現だけど、そんな風に思いをめぐらせてしまいました
と書いていて、芥川龍之介の『トロッコ』を思い出したりもして (^^ゞ