酒屋と蕎麦屋
先日、六合村に行った日の話です
ワタクシ、たとえば親戚の用事で出かけても
本来の目的以外に楽しみを見つけてしまう傾向があるようです
前述の通り、この時期はスタンプラリーはなかったのですが...
高崎市倉渕町権田...旧倉渕村の中心部を過ぎ、バスの終点も通り過ぎて
そろそろ山道に差し掛かるところに一軒の造り酒屋があります
人家も途切れてしまいそうな場所にデンと建っている佇まいに
ここを通るたびに一種独特の存在感を感じてしまうのでした
この日は早めに家を出たうえに途中の道路も混雑しておらず
時間にも、そして気持ちにも余裕があったのか
クルマを停めて写真を撮ってゆこうという気分になりました
カメラを持って建物の前に立つと
これまでクルマで通り過ぎるときに感じていた雰囲気が伝わってきません
よく見ると母屋の建物が綺麗になっています...これが原因でしょうか?
といって、つい最近建て替えたのではなさそうです
思うにこれはきっとクルマで通るときは少し離れたところから
蔵や塀も含めた全体を見ているからなのでしょうね
正直言って拍子抜けしたのですが、それでもシャッターを押し
ふと脇に目をやると「ここだけで売ります」という新酒の案内が...
もともとこの日のドライブは土産に地酒を買って帰るつもりだったので
こうしてクルマを停めたのも何かの縁、店の中に入ってみました
この蔵元のメインの銘柄は『大盃』というようなのですが
蔵元の店頭販売限定の銘柄は『蔵春(くらはる)』
いかにも新酒ができた喜びを表している名前です
残念ながらクルマなのでその場で利くことはできなかったのですが
一本買い求めて帰ったところ、ツレアイには好評でした
美味しいお酒でしたが、ワタクシの好みから言うと、ちょっと甘さがキツいかなぁ
甘すぎるという意味ではなくピリッとくる感じなのですね
牧野酒造、応対してくれた小母さんによると「高崎市唯一の造り酒屋」なんだそうです
酒屋の蔵の隣に蕎麦屋の看板が出ているのに気がつきました
建物自体は奥に引っ込んだところにあるので、これまで知らずに通り過ぎていました
時計を見ると、ちょうどお昼を回ったところです
「ちょうどいい、ここで食べてゆこうか?」
自分ひとりでドライブしていると
面倒だからと平気で食事を抜くのですが
この日は食べ盛りの息子も一緒ですから
気を遣わねばなりません (^^ゞ
道路から一段高くなった場所にある母屋に向かってゆくと
農家を改装して使っているような店が見えてきました
外には蕎麦の実が干してあり、素朴な雰囲気です
店内に入ると、まさに古い民家ですね
3部屋つながった座敷が客席で
土間を挟んで、というか広い土間を改装したのでしょう
反対側が調理場と蕎麦打ち用の小部屋になっています
ここの家族か近所の主婦か、小母さんたちが元気に動き回っています
…みどり市神戸(ごうど)の玉木屋を連想しました
でね、運ばれてきた蕎麦が美味かった
最近よく「隠れ家」なんていう言葉を見聞きして
自分としてはあまり好きな表現ではないけど
なるほど確かにそう呼びたくなる気持ちが判る、そんな感じの店です
通りからは店構えが見えず、見えたところで普通の農家
気さくに入れるけど、美味いものを出す
いい店見つけちゃったなと思ったのですが
よく考えたらここを通るのは数年に一度だし
何か食べたいなぁという時間帯に通るのは今回が初めてです
これまでは朝通ることが多かったからねぇ
この次もうまく時間を合わせて寄ってみたいなと思ったのでした
ちなみに、この店の定休日は火曜日と水曜日
…火(ひ)と水(みず)を休めるのだそうです
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コメント
エンドウマメ
美味しそうなお蕎麦ですね。 でも普通の二倍はある・・くらいの太さで
独特な感じなんでしょうね。 なかなか関西圏では、美味しいお蕎麦に
出会う事が少ない・・のが現状で、うどんの文化圏ですから、難しいかも。
それにしても、田舎のおばあちゃん宅で昼食を食べている雰囲気で、いいなぁ。
こんなお店で、運転手付き(笑)だったら日本酒を飲みながら食べたいなぁ。
まつお
▽エンドウマメさん
太く見えますが、実際は蕎麦を打つときに薄く延ばしているので
平べったいといった方がいいかもしれません
北関東はもともと米がよく取れなかったらしく
粉食文化圏なのですね
平野部はうどん文化で山間部では蕎麦になります
その名残があるのか高崎はパスタ屋が多いんですよ