真説? 必死豆炭

 

shishi02.jpg

このブログのアクセス統計を見ていたら
今月はやけに「必死豆炭」というキーワードで訪ねてくる人が多いことに気がつきました

どげんしたと? 何ん事が起きよったとね?

気になって調べたら、プロ野球選手がインタビューに答えて
「必死豆炭」という言葉を使ったらしいのです
それを見た人たちが「へぇ、面白い言葉だなぁ」と反応して
ネット上で情報を探したのでしょう
この城島という選手、前に福岡ダイエーホークスにいた人なのですが
出身も博多だったのでしょうか?
博多のチームに在籍したからといって
今どきの人が簡単に口から出てくる言葉ではないですよ

で、ワタクシも検索していくつかのブログを訪ねてみましたが
たいていは「面白い言葉だなぁ、博多弁なんだってよ」という感想であり
語源についても「着火させようと団扇などで一生懸命あおいどる様子」という説が
広まっているようでした…ワタクシの「ヒシ印豆炭」説はさっぱりです

そんななかで、あるブログの記述が目を引きました
「ほんとの、ピッチ豆炭を見たことがあるのは、私くらいの年齢止まり」

ピッチ豆炭? 何? それ?

調べたところ、他で「ピッチ豆炭」という言葉は出てきませんでしたが
「ピッチコークス」という言葉にぶつかりました
ふつう、コークスは石炭を蒸し焼きにして作りますが
  子供の頃実験でやったことがあります
石油を蒸留した残留物(ピッチ)を使って製造したものを
「ピッチコークス」と呼ぶんだそうです
石炭コークスに比べてカロリーが高く、灰が出ないとかで
溶解炉なんかに使うには適している…このへんで八幡製鉄という言葉が頭をよぎります
北部九州に結びつきそうな気配がしてきました

形状が似ているのでコークスのことを現場の俗称で豆炭と呼んでいたとしたら
ピッチ豆炭という言葉が生まれてきても不思議ではありません
そしてこれは「必死豆炭」と語呂が似ているのです

ワタクシが唱えている説は
「恐れ入谷の鬼子母神」「その手は桑名の焼きハマグリ」
という洒落と同様な言い回しから発生しているのではないだろうかというものでしたが
その対象は「ヒシ印豆炭」ではなく「ピッチ豆炭」ではなかったか
そんな風に思えてきました


それにね、強引に自説に引き込もうというわけではありませんが
団扇で必死にあおいでも豆炭はなかなか熾きませんよ
今週の日曜日にワタクシも久しぶりに豆炭を使ったのですが
はじめっから炭熾しを使いましたからね
ガスコンロの上に載せて5分くらいほったらかし
それでようやく火に面した側が赤くなる程度

もともと豆炭ってガンガン熾して使うような熱源ではないと思うんですよ
だって、あんかに使ったら一晩中ほんのり燃えているわけです
ダッチオーブンの煮込み料理に使ったり
地味だけど、内に熱を秘めている…そんな熱源だと思うんです
言ってみればスローライフな燃料だから
それこそ必死豆炭になって灰を飛び散らかしながら熾すようなことは
したくないんだよなぁ


楽天で購入可能です...写真をクリックしてみてください