住宅ローン減税
しばらく前からこのブログ、具体的には⇒「この記事」が
「年末調整」とか「戻りが少ない」というキーワードで
検索によくヒットしているようです
あれは3月の確定申告の頃に書いた記事なので
ここでもう一度書いておきますが
「今年はもっと戻りが少ない」
のであります
そもそもサラリーマンの場合は
「この調子で12ヶ月給料もらえば年税額はこんなもんだろ」
という予測に基づいて月々の源泉税が引かれているわけですから
プラスマイナスゼロに近い状態が普通なのです
年末調整で戻りがあるというのは
「年の途中で給料が大幅にダウンした」「扶養家族が増えた」「保険料控除」
など、所得そのものが予測より減ったか所得控除を膨らませたなどの理由です
「変化がなくても、去年並みには戻ってくるんじゃない?」
はい、今年は税額そのものが安くなっております
1月の給与明細から所得税の額が減っていたでしょ(そうでない人もいるんだけど)
…その代わり6月から住民税がメチャクチャ上がって腰を抜かしませんでしたか
小泉内閣時代に「この仕事は地方でやりなさい」と国の権限をどんどん移したので
「財源も直接そちらで確保しなさい」と国の税金を減らして地方税を増やしたんですよ
これを税源移譲と言います
つまり、もともと払っていないから戻ってこないのです
「払った範囲内でしか税金は戻ってこない」
これを忘れて多くの人がペテンに引っかかっているのが
「住宅借入金等特別控除」…俗に言う「住宅ローン減税」というやつです
年度によって詳細がころころ変わる、つまり景気対策の場当たり政策なのですが
多いときには「年に(最大で)50万円税金が戻る」と謳ったときもあったんじゃないの
これに浮かれてその気になって住宅を買い
それだけじゃ済まないからカーテンを買って、家具を買い、家電を買う
…だから持ち家政策ではなく、景気浮揚政策なのです
平成18年中に入居した人の場合、10年間の減税期間があり、最大で225万円戻ってくる
でもね、この恩恵を最大限受けられる人(サラリーマンの場合)は
・年収が3,336万円以下
…これなら充分資格あり
・10年後のローン残高が3,000万円以上残っている
・年税額が30万円以上
最後の年税額うんぬんが、「払った範囲内でしか戻ってこない」ということです
毎年30万円も税金を納めるような収入があって
なおかつ10年後もローンが3,000万円も残っている人だけが
この制度をフルに活用できるわけですが…少なくともワタクシには現実感がありません
実際問題として多くの人は「家族も増えて手狭になったから思い切って」
という理由が後押しして住宅を購入していると思うのですよ
こういう人は失礼ながら収入も平均並みだろうし
扶養家族が多かったりしてもともとの税額が安めなんですよ
特に高校・大学年代の子供は特定扶養親族といって控除額が多いし
歳とった親を扶養していても控除が多くなります
つまり「25万円税金を負けてもらえる権利があっても、年税額が15万円」
というケースはざらにあります
もちろんこの場合は15万円しか戻ってきません
で、先ほど書いた税源移譲で今年は税金そのものがさらに安くなっています
「去年は15万円だったのに、今年は10万円…権利は25万円もあるのに」
しかも、戻りが減った分だけ地方税が上がるからダブルパンチです
さすがにこれはペテンがひどすぎるということで
「25万円の権利分から控除しきれなかったら地方税から控除します」
という特例が設けられました
ただし、これはもともと地方税には関係なかった減税制度ですから
あくまで税源移譲で国から地方に移管した範囲内でという制限があるようです
いくら権利が25万円あっても、去年の還付の実績が15万円なのだから
去年の15万と今年の10万円の差を考慮して計算するらしいのです
…という話を一ヶ月ほど前に市役所の税務課の人から聞いたのですが
はっきり言ってチンプンカンプン
だいいち、去年と今年では所得も違っているしローン残高も違います
自分はもう住宅ローン減税が申告できる年数が終わっているので
そもそも本気になって聞いていません (^^ゞ
というわけで、ここまで読んで自分が該当すると思った人は
・年末調整ですべて終わった人
お住まいの市町村の税務担当窓口へ
・副業収入や医療費控除などがあり、さらに確定申告をする人
所轄の税務署へ
ご相談に行ってください
自分が該当するかどうかよく判らない人は、今年の源泉徴収票を見て
・「源泉徴収税額」の欄がゼロである
・適用欄「住宅借入金等特別控除可能額」として金額が記載されている
…これが今年負けてもらえる最大額です
・「住宅等借入金等特別控除の額」に金額が入っている
…すでに負けてもらった年税額です
ごくまれに所得が少ない・扶養家族が多いなどの理由で
はじめから年税額ゼロという場合も起こりえますが
という人が該当します
もちろん、上に書いた理由で
2番目と3番目の差額がそのまま地方税の還付になるわけではありませんが
ご相談に行く価値は充分にあると思います
なぁんて細かいことを気にせず
社会のためにどんどん税金を払えるような
そんな収入があればいいと思うんですけどねぇ
ちなみに、ワタクシは税理士ではありませんから
ここに書いたことを鵜呑みにせず
他の公的な機関のサイトでよく確かめることをお勧めします
…念のため
ええっと、このブログは「実用ブログ」ではないのですが
少し役に立つ(かもしれない)ことを書いておきます
すでに実践している人も多いでしょうが...
1)サラリーマンで
2)共働きしていて
3)扶養家族がいて
4)住宅ローンの名義が自分ひとりで
5)住宅ローン控除可能額まるまる控除しきれない人
以上すべてに該当するようでしたら
すぐさま税務上の扶養家族を配偶者に移しましょう
つまり配偶者の所得控除を増やして税金を安くするのです
その分自分の税金が上がってしまいますが
住宅ローン控除で戻ってくるではありませんか
税務上だけで構いません
健康保険上の扶養家族はいじらなくてもいいんです
…え? そんな面倒なこと、会社の総務が嫌がるって?
会社によっては家族手当を設けているところもあり
その基準を税務上の扶養としているところもあるみたいですね
だったら、ご自分で配偶者の分と合わせて確定申告すればいいんですよ
会社への届けはそのままにしておいて、年末調整後に自分で修正するんです
これを読んでいるということはネット環境がおありでしょうから
国税庁のサイトにアクセスして画面上で申告書が簡単に作れます
あとはプリントアウトして所轄の税務署に送るだけ
還付申告でしたら事前に受け付けていますし、まだ税務署もすいていますから
処理も早く終わって3月の初めくらいには還付金が振り込まれてきますよ (^^)v
あ、自分の分はすでに年末調整で年税額がゼロになっているので
実際に還付金があるのは配偶者の分だけです
コメント
ちすもん
はいはいー。
住宅ローンの減税申告を3年間ほったらかしにしておいて、
指摘を受けて本年申請しましたー
ボーナスの金額を超える還付金に感涙とともに、
「をいっ!こんなにもって行ってたのか!」という怒りが・・・
ま、遺産の課税くらったり、身に覚えのない投資を食らったりで
忘れていたのが悪いといえば悪いのですが。
ちなみに、住宅ローンの減税申告ですが、忘れていても
5年だったか6年だったかは「すんません申告」が
大丈夫みたいですね。
おかけで我が家の冷蔵庫が新しくなります(爆)
まつお
▽ちすもんさん
おお、そんなに戻ってきましたか
ということは基の所得が...羨望のマナザシ
ま、3年前だと還付金の率もいい時代じゃなかったかな?
ウチもずいぶん前になりましたが
12月の給料は額面より手取りが多かったものでした
ところで、還付金には利息がつきませんよね
こちらが後から修正申告で納税すると「延滞税」がかかるのに...
(故意・悪質になると「重加算税」…刑事罰もついてきます)
でも、国側のミスや都合で多く取りすぎて戻すときは
ちゃんと利息分が加算されます
これが日歩4銭(年利14.6%)だったかな
そこらの預金金利よりずっといいので
間違えて課税してくれないかなと思うことがあります(笑)