故障・その後

マーフィーの法則のひとつに
「機械が動かないことを誰かに証明して見せようとすると、動きはじめる」
というのがあって、まぁこれだと堅苦しい言葉なのだけど
「電気製品の不具合は、修理受付窓口では再現しない」
と書いたら多くの人が思い当たるかもしれません
「音が出なくなった」「回らなくなった」などと電器店に持ち込んでみても
なぜかそこでは問題なく動いてしまうというものですね
...で、家に持って帰るとやっぱり動かなかったりする (^^ゞ

先日DVDプレーヤーを修理に出したときも、このことを心配していたのですね
実は、前の晩「最後にもう一回」と試したときは、ちゃんと動いたのです
それでもしらばっくれて修理に出したのですが
幸い(?)先方のサポートセンターでもマーフィーの法則に反してくれたようで
「ご指摘の症状について確認いたしました:ディスクトレイ開閉不良」と認定され
対処していただけました...本体交換です


やっぱり丸ごと交換なんですよね

考えたらOEMメーカーが中国あたりで作っているものを売っているだけの
基本的には「商社」なのですから
技術者や補修部品を揃えて万全の修理体制を整えているとは思えません

それに、今どきのエレクトロニクス製品は修理不能なのです
昔だったら真空管を1本ソケットから抜いて交換すればよかったかもしれないけど
今はLSIが基盤に、それも1ミリ幅に10数本という密度で、ハンダ付けされているのです
これを手作業で交換するのは神業です。せいぜい基盤ごと交換するのが関の山です

仮に部品が手元にあったとして、手先の器用な技術者もいたとして
その人が一定時間をかけて修理に取り組む対象は
小売店で2700円で売られているものなのです
時給を払うより新品と交換したほうがコストを抑えられると判断するのが
合理的な考え方というものです

...と、ここまで考えたとき
「ご指摘の症状について確認いたしました」という言葉も疑わしくなってきました

冒頭に挙げたマーフィーの法則じゃないけど
本当は調子悪くっても、その時はうまく動くことだってあります
「なんともないですよ」と突っ返して「いや、家では動かない」
と反論されるかもしれませんから、何度か試してみて検証しなくてはなりません

という手間さえも惜しんで
「はいはい、お客様のおっしゃるとおりです」と無条件に交換したほうが
コスト的には安くつくのかもしれませんよ
故障(クレーム)の発生率×製品の卸値が
修理要員や部品を確保するより安ければ、そうするのが金銭面では得なのです
それに、新品に交換してもらって厭な顔をするお客は滅多にいませんものね


確かにそうなんですけどね...なんか割り切れない気分も残るのです