『絵本・地獄』~一年後の奇遇

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初版発行が1980年といいますから、もう32年も前の本なのですが
最近、若いお母さんたちの間で評判になっているそうです
という話を聞いて、ワタクシも図書館で予約をしてみたのですが
なるほど、5人くらいの順番待ちがあり
昨日ようやく、というよりたまたま立ち寄って別の本を借りようとしたら
「予約した本が入ってますよ」と声をかけられたのです

千葉県の延命寺に所蔵されている地獄絵を元に構成された絵本なのですが
まぁ、すさまじい絵です
生前悪いことをすると、地獄に行ってこんな目に遭うよ




  生き物の世話を怠けて殺したものは、なます地獄で身体を切り刻まれ
  嘘をついたり約束を破ったものは、かまゆで地獄で繰り返し煮られ
  他の者の話を聞かずに勝手な振る舞いをしたものは、火の車で引き回され...

とまぁ、親が子供に「しつけ」としてこの本を見せるんだそうです

子供がトラウマになる、精神的虐待だ! と思う人もいるでしょうし
昔はこんな話を聞かされるのは当たり前のことだった、という人もいるでしょう
どうなんでしょうねぇ?
優柔不断なワタクシが思うには、この本を子供に与えるだけでは虐待で
親がキチンと読み聞かせれば「しつけ」になるのではないかと思います


ところで、こんな絵を以前どこかで見たぞと思って思い出しました
ちょうど一年前の5月5日、東松山の丸木美術館でした
開館記念日のイベントで小室等さん・こむろゆいちゃんが歌うというので出かけていったのですが
会場となったホールの四方の壁が
「南京大虐殺の図」「アウシュビッツの図」「水俣の図」「水俣・原発・三里塚」
という、地獄絵さながらのすさまじさだったのですね

そして、あの日の丸木美術館では
『チェルノブイリから見えるもの』という企画展も開催していたのですが
そこで『風しもの村 チェルノブイリスケッチ』という作品を紹介されていたのが
貝原浩(故人)さんという画家なのです
そして、この『地獄』という絵本の装丁、レイアウト、一部の絵を担当されたのもまた
貝原さんなのですね

今日もまた、不思議なつながりを感じてしまいました