はじまりはじまる-詩と音楽-

 


(「広瀬川」の続きです)

詩人の佐々木幹郎さんが昨年第20回萩原朔太郎賞を受賞され、受賞者展覧会ということで
前橋文学館で7月20日(土)~9月8日(日)まで企画展が開かれており
その会期中に3回観覧無料の日があって、昨日がその2回目
...あ、いや、だから行ったというのではなく (^^ゞ
その関連イベントとして佐々木さんと小室等さんのトークイベントがあり
それを観るのがメインの目的だったのですね
あ、この記事の題名は、そのイベントのタイトルです

  それだけで帰って来るのはもったいないので
  少し早めに行って広瀬川沿いに歩いたり
  文学館の展示も見たりしていたわけです

トークイベントと言っても二人だけの対談ではなく
もちろん小室さんはギターを持って歌うのでありますが
それに加えて、こむろゆいちゃん(歌・ウクレレ)や
VOICE SPACE の澤村祐司さん(箏)、渡辺元子さん(尺八)も参加するというので
普段のライブとは一味もふた味も違ったパフォーマンスになるぞ
という期待を持って出かけたのでありました
  澤クンと元子ちゃんは、以前この記事で登場していました

小室さんとVOICEのメンバーたちとの共演は、これまで何度か聴いたことがありますが
こういう改まったホールでは初めてです
おなじみの Lagniappe の演奏に箏と尺八がさりげなく
それでいて効果的に重なってきます
そして、それ以上に絶妙に絡んだのが澤クンのコーラスでした
幸か不幸か専用のマイクが用意されていなかったため
あれ? 何か音がしているかなぁ? 程度の聞こえ方なのですが
これがあるとないとでは大違い、歌に余韻と厚みを加えてくれたのです

対談のほうもなかなか楽しい話で
特に佐々木さんが「日本語の詩は縦書きでないとダメ」
とこだわる理由が興味深かったです
理由の一つは、横書きというのは視線の移動が楽なので
安易に読んでしまい、読み飛ばしなどもしがちである
縦書きは文字を追うという行為が強くなるので言葉の一言一句をキチンと読もうとする
だから裁判所の判決文や芝居の脚本も縦書きである
というような意味あいのことをおっしゃっていましたが、なるほどですね
また、現代自由詩における改行のタイミングとして
佐々木さんは一行に込められた思いを「重力」という言葉で表現していて
重力が貯まったところで改行する
それがまた次の一行を呼び起こすというような
そういう感覚で詩を書いているし、他人の詩も読んでいるようです
「だから横書きだと重力が行末に貯まらず、一文字一文字から下に垂れているみたい」
...このあたりが文学者、詩人の感覚なのでしょうか

余談ですが、このブログも(横書きではありますが)改行の文字数が一定しておりません
いちおう、どこで改行するかは気を使っているんです
語句や文節のキリがいいときというのは当然なのですが
見た目のバランスも意識しています
つまり一行だけ極端に長い行が割り込まないように
途中で切ってしまうことがあるんですね
  まさに上の2行がその実例で
  最初は1行で一気に書いたけど、長すぎたので改行しました
  どうもワタクシは「重力」に対する意識が薄いようです

見た目を気にするという点では、上の行と同じ位置に同じ単語が並ぶのを嫌いますし
カナ文字の語句、あるいは漢語が続くのも避けるようにしています
って、これは読みやすさも意識してのことですね
どこで切っていいのかとっさに判りにくかったりしますから
あと、しゃべっているときは気にならないんですけど
文章だと「が」「の」という接続助詞が続くとダラダラ見苦しいので
これは極力避けるよう推敲してます
というところで余談はおしまい


文学館の中では写真撮影をしなかったので
文章ばかりの長い記事になってしまいました
お詫びというわけではありませんが、最後に佐々木さんの詩碑を紹介します

広瀬川沿いの遊歩道には文学碑・詩碑が点在しており
この萩原朔太郎賞受賞者も詩碑が建てられます

木陰の中を歩いていると、第10回、第11回と
受賞者の詩碑を見つけることができたのですが、だんだん文学館から離れて行きます
佐々木さんは第20回ですよ。ということはさらに遠く...!?
さすがに前橋の暑さが堪え始まったので諦めて引き返して来たら
何のことはない、文学館の正面にあるのが佐々木さんの詩碑でした
...これってなにかい? 最新の受賞者のは「現役チャンピオン」ということで
次回の受賞者が決まるまで文学館の正面に置かれるということなのでしょうかね
授賞式の日に詩碑のお披露目もあるようなのですが
回を重ねるごとに場所が離れてゆくんじゃ大変ですから
受賞者を称えるだけではなく、そちらの配慮もあるのかもしれません



そういえば授賞式に参列したという城田じゅんじさんのブログ
こんなことが書いてありました

その日の前橋はめっちゃ寒かった。(筆者注:羨ましい!)

まず、屋外での除幕式。幸いにも短いものでありましたが、ブロンズ像の幕が外されるとそこには、萩原氏の所有しておられたらしい帽子とマンドリンを形取った像が静かにその時を待っていました。

瞬間的に気が付いたのですが、A線のペッグがひとつ無かったのは何故だろう。そのことに気が付いたのは僕だけだったようなので、敢えて伏せておくことにしよう。

敢えて明るみに出します(笑)
  画像にマウスカーソルを重ねてみてください


ところで、遊歩道に建っていた他の詩碑と比べて
これは明らかにデザインが違うのですが
つまりこのブロンズ像が乗った台座というのは「現役チャンピオン」専用の台座で
次回の受賞者が決まるとプレートだけ外されて、よくあるタイプにの台座にはめられて
遊歩道に安置される、ということなのでしょうか?
今度佐々木さんに会ったら訊いてみたいと思います

それにしても前橋市及び関係各位の萩原朔太郎賞
ひいては萩原朔太郎や他の詩人たちに対する入れ込みは大したものです
詩人に正賞・副賞を渡すだけではなく詩碑を建て展覧会を開き
関連イベントの日には入館料を無料にするだけではなく (^^ゞ
参加者すべてが使ったわけではないけど、近所の市営駐車場の料金を
3時間分負担してくれたのですから...いやぁ、太っ腹!

というわけで素晴らしいライブパフォーマンスをほとんど自己負担なしで
  遊歩道を歩いた分だけ時間超過したけどね
しかも先月免許を取った息子の運転で往復して楽させていただきました
ああ、楽しい日だった


もひとつ余談ですけど
昨日はもう一つの Lagniappe ライブに関してお知らせ・予約受付開始の日でした
なんと、深谷で開催されるのです。しかも主催者がワタクシの配偶者 (^^ゞ
(仮称)Lagniappeライブ実行委員会というものが立ち上がったのかいないのか
立ち上がったとすれはあちらが実行委員長で、ワタクシが事務局長
つまりは雑事全般一手引受で動いております
こんな感じでチラシも作りましたので、どうぞ見てやってくださいませ ⇒ こちら