上柴柵と鞘絵車止め
くっそ~、写真撮りに行こうと週末を待ってたら雪になっちまったい
でも、他にネタが無いので取材は敢行せねばなりません
先日のガードレール、というかガードフェンスで思い出したんだけど
わが町にも珍しいものがあって...
と書いたところで何がどう珍しいのか知る人はあまりいないだろうし
いずれその人たちもワタクシを含めて地上からいなくなってしまうだろうから
ちょっとここに残しておこうかと思うのです
ずっと前に市役所に勤める友人から教えてもらったのですが
これは深谷市の上柴ニュータウン(上柴土地区画整理事業地内)だけにしかない
オリジナルデザインだというのですね
深谷(Fukaya)の「F」がモチーフになっているのです
土地区画整理事業というのは
地権者が自分の土地の一部を出し合って
街路や公園といった公共用地や、保留地として売り出して事業費を捻出するのですが
面積は減っても地価が上がるので全体の価値は変わらない
という考え方が根底にあるようです
ここは広大な農村地帯が新市街と呼べるほどの立派な街になり
かなり事業費が潤沢に使えたらしいのですね
それで既製品のフェンスではなく、このようなオリジナル品を作ったりもしたらしいのです
まぁ、もともと畑だらけの場所だったので
新しい街をデザインして作ろうという意気込みにあふれていたのかもしれません
とはいえ、ニュータウンができてから20数年
赤十字病院や勤労会館などは建て替えられ、ひとつの世代が替わろうとしています
多少のストックはあったかもしれませんが、特注品は継続生産されていないでしょう
老朽化や事故による破損などで、少しずつ既製品と置き換わってゆくと思われます
上柴ニュータウン内に点在する公園や遊歩道の入り口に
こんな車止めが設置されています
20年前、結婚してこの街の隅っこにあるアパートに住み
近くの公園に行った時に「なんだ、このグニャ絵は?」と思ったのですが
次の瞬間に「あ、これは鞘絵だ!」と気づいたのです
いやぁ、担当者は遊び心がありますな
鞘絵(さやえ)とは横にひらたく描いたものを
脇に立てた刀の鞘に映すと初めて形の正しい絵に見えるもので
江戸時代中期に流行したそうです
たとえばこんなもの ⇒ クリック
というわけで車止めの方に着目すると、「深谷市の木・ツバキ」が映し出されます
反対側は「深谷市の花・チューリップ」ではなく、なぜか「菜の花」
ツバキの背景にある白いバーコードのようなものは
意味のある数字や記号が隠されているのでしょうか?
それを市役所に問い合わせたら前記の友人がやってきて
あれには意味が無いけど、フェンスが...と教えてくれたのです
他にも「市章」「翼のような模様」もあるのですが
これは地面側が歪んでおらず、隠し絵になっていないので面白みがありません
しかしこれもガードフェンス同様に年月が経っておりますので
汚れたり一部のタイルが剥げたりしているのはまだマシなほうで
鏡面ではない車止めが立てられたのでは洒落になりません
昨年の上柴公民館建替えにあたり、シンボルタワーは位置を変えて残りましたが
以前に比べて「建物の陰」になった感は否めません
上柴ニュータウン造成の際の「思い」が薄れてきているのかなぁ
ところで、ウチの近所のこれも珍品? 他所で見かけない気がする
コメント
トチロウ
私の住んでいる隣の街区も土地区画整理事業のニュータウンですが
最初は公園に浅い池と噴水がありました。
しかし、いつの間にか水は抜かれ、噴水も見なくなりました。
やはり維持コストがかかるものは続かないようですね。
まつお
▽トチロウさん
やっぱり記念碑を建てるくらいが無難なのでしょうかねぇ
ところで、前に写真で青函トンネルを見たとき
時の総理大臣の揮毫で銘が彫られていたようですが
何十年もかけてトンネル作って、その間に何人も大臣が代わって
たまたま完成時にめぐり合わせたヒトの字が残るというのは
なんかこう割り切れないものを感じます
とくに昨今のようにコロコロ総理や大臣が代わっているとね
...あんた何もかかわってないんじゃない?